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デンマークのLYKKE(リュッケ)から考える人事施策

LYKKE(リュッケ)とは

 デンマーク語で「幸せ」を意味する言葉
 デンマークやフィンランドなどの北欧諸国は幸福度が高く、その価値観に注目が集まっています。

きっかけ

 退職祝いでAmazonのリストの中から リュッケ 人生を豊かにする「6つの宝物」を頂きました。きのしーありがとう。

人事は社員の働くことと幸せを考えるべきか?

 会社、人事は働く人の幸せをどこまで考えるべきなのでしょうか?会社によってポリシーが別れるところかも知れませんが、ここでは幸福とパフォーマンスは関連性があるとして、進めたいと思います。

幸せは感じるもの

 幸せを会社、組織として人事施策に組み込むことを考える時に注意しないといけないことは幸せは主観的なものであり、何かと比べて図る事が難しいものだということだ。もし測ろうとすると、個人ごとに大切だと感じる順番や水準を理想と現在の自己の認識とを比べ、その差を測ることはできるのではないかと思う。
 そして、この要素はハイジーンファクター(衛生要因)と同じように離職につながるものでないかと考える。そして、幸せの要素とハイジーンファクターには関連性があるのではないかと思った。

 そしてもう一つ大切なのは、今、どう感じているかと合わせて、将来どうなりそうかという自己認識も幸せ(ハイジーンファクター)に影響をもたらすと考える。今つらくても、近い将来に改善されそうと感じれば、それは幸せだと感じられる要因になりうる。また、逆に今は大丈夫と感じていて、将来に不安があれば不満足要因となる。

 人事としては短期的、長期的な視点で人事施策を考える必要があり、メルカリのmerciboxはそうした制度設計の背景がある。

LYKKE(リュッケ)から考える人事施策

幸せに関わる要素として6つが紹介されている。

 一体感 、 お金 、 健康
 自由  、 信頼 、 親切

TOGETHERNESS(一体感)、KINDNESS(親切)

 どうすれば一体感を感じられるか?を考えてみると、それば共にあると感じられる居場所、関係をいかにしてつくるかということになる。

 場所についてですが、これは自身の座席という要素が大きい気がする。
 フリーアドレスやABW(Activity Based Working)といった固定した座席を持たないオフィスやリモートワークも広がりを見せているが、やはり自分の座席というのは物理的に居場所とそこにいていいんだという感覚を与えてくれる

 次に人との関係ですが、まずは違いを知るという事が必要だと思う。
その為には、社内の組織図名簿(小学校の頃にやったようなサイン帳のようなもの)をオンラインに作成し、全社員に公開しておくことから始めたい。
 組織図は自らの名前、場所を視覚的に確認できるし、座席と同じ効果があるような気がする。名簿はコミュニケーションのきっかけにもなるし、顔と名前がわからなくなる問題を少し軽減してくれる。名簿は半年に1回程度更新するように全社員に言うのがよいと思う。
 他に具体的な施策としては、入社時のウェルカムランチ、経営陣とのランチ、部活動、入社年・入社月が同じ同期会などが効果的だと思う。
 チーム内だけでなく、斜めの関係で助けてくれる人がいると、不安は軽減されるだろう。
 また、お昼ご飯を誰かと食べることは幸福や会社の居場所感に大きく影響すると思う。ランチやコミュニケーションを促進することは一体感、親切を醸成できる。
 互いに知り合うことで、おせっかいをやける、気にし合える関係になる。

MONEY(お金)

 お金はハイジーンファクターの一つにもあるが、人によって捉えて方が違う。
同じ年収600万円でも満足している人もいれば、不満足な人もいる。
 大切だと思ったのは生活していけるだけの最低水準があれば、その後はお金を得た後ではなく、得る前の期待がワクワクし、幸福度が高いことを意図的に利用するのが良いのではないかと感じた。
 それに関連し、その判断を自らの意志で決められる事が重要だと思う。期待を後にずらすというような報酬制度(ここでは詳しくは話さないが)がよいのではないかと思う。

 本の中に面白い例があり、自分の年収が1400万、他の人が2800万円の世界Aと自分の年収が700万円、他の人が350万円の世界Bどちらがいいか?という質問をみんなにすると、Bを選ぶという。物価などは同じであっても人は誰かと比べて多い方がいいみたいだ。
 だけど、幸せはだれかと比べるものではない、感じるものだ。そう考えると、比較できる制度、給与や等級が公開されている制度は適さないのかもしれない。(ここはかなり複雑に色々な問題があり、難しい。評価と報酬が適切に行えている会社はどこまで存在するのだろうか?そう考えると公開すべきではないと考える)

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HEALTH(健康)

 健康と幸せの関連性はあり、会社としても社員の健康に対して投資をすべきだと思う。どの分野にどのように投資すべきかはまだまだ考えるべき余地があるが、大切なポイントは習慣化だと思う。
 ダイエットがイメージできるが、一人だとなかなか続かないことも多く、健康はそうした側面がある。また、興味がない人はとことん興味がない。
 ストレッチや筋トレ、マインドフルネスなどを部活動にして、みんなで行う事によって習慣化される。
 また自転車通勤や徒歩通勤を推奨することも習慣化につながる
 健康診断やインフルエンザ、歯科検診など健康は後から取り返しがつかないものであるからこそ、会社は正しい情報を提供し続ける責任があると思う。

FREEDOM(自由)、TRUST(信頼)

 働く時間、働く場所を自由に選べる事は幸せにつながる。だからこそ、時間で管理せず、成果で評価できる仕組みを。場所もテレワークを認めつつもオフィスの場所としての魅力を高め、選ばれる場所、来たいと思える環境と仲間を保ち続ける必要がある。

 自由と信頼はセットで考える必要があると思うし、性善説のマネジメントであり、ルールを作るのではなく、信頼し任せる。考えさせる。ことこそが信頼を示す方法だと思う。

最後に

 幸せをテーマに少し無理やり感もあったが、働くことと幸せづくりについて考えてみた。すべてではないが、今回あげた一体感、お金、健康、自由、信頼、親切は人事として持つべき視点だと思う。

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