2019104沖縄旅-6375-2

平成最後の沖縄旅ー②青の洞窟と沖縄の美食で満たされて

前回のNOTE のあらすじ

平成最後の沖縄旅に出かけた僕。

雲が多く淀んだ空だったが、絶景スポット「古宇利島」に着く頃には、日が差して青い空が広がり、僕は夢中でカメラのシャッターを切っていた。美しい自然をただぼぉーっと眺め、何もしない贅沢を楽しんだ僕であった。

その人泊まったゲストハウスのお客は僕一人。しかしホスタピリティに溢れるスタッフとの時間は「また行きたい」と思わせるかけがえのない時間だった。

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目を覚ますと、もう時計は8時を回っていた。波が打ち付ける音が窓から届く。一歩外に出てみと、心地よい沖縄の風が吹いている。天気予報では「くもり時々雨」だったが、夏の太陽の光が差していた。沖縄の天気予報は本当に当たらないらしい。

楽しかったゲストハウス笑縁門での時間も、もうおしまいだ。お世話になったスタッフのべっちゃんとゆうこりんに別れを告げ、車のアクセルを踏み込んだ。バックミラーには、笑顔で大きく手を振る2人の姿が写っている。

まだ出会って1日も経っていないけど、ずっと昔から友達だったような気がする。後ろ髪を引かれるようにして、次の目的地である恩納村に向け進み出した。


昨日、古宇利島で出会ったカップルと話していてた時のこと。お互い旅でどこへ行ったかを話していると、カップルの男性が「恩納村にある青の洞窟でシュノーケリングをしたけど、めっちゃよかったですよ」と教えてくれた。

沖縄本島の中部にある恩納村には、青の洞窟と呼ばれるスポットがあり、シュノーケリングやダイビングするのが有名なんだとか。その話を聞いたあと、全く予定にはなかったが「ダイビングしてみたい…」という気持ちが僕の中で抑えられなくなった。

すぐに電話をして空きを確かめると、明日の10時なら体験ツアーに参加できるという。沖縄に来たからには、海を入らずに帰るわけにはいかない。そして、青の洞窟ダイビングに行くことになったのだった。

ゲストハウスのある名護市から高速を走ること1時間。今回のダイブスポットにある「真栄田岬」に到着した。車を停めて、指定された集合場所に行くと、今回お世話になったマリンショップNoaのこうちゃんが迎えてくれた。


ダイビングの説明を受け、ウエットスーツに腕を通す。昨年石垣島でダイビングは体験したが、1年ぶりのダイブである。「ちゃんと潜れるかな」一抹の不安を抱えながら、機材を持って海に繰り出した。

4月の沖縄はすでに海開きをしているが、まだ海水は少し冷たい。ひんやりする海に体を沈め、マスクを海につけた。

目の前には、リアルな水族館が広がっていた。色とりどりの魚たちが目の前を優雅に泳いでいる。手を伸ばせば、魚に触れそうだ。インストラクターのこうちゃんからエサをもらい、餌付けをしてみる。指先にあるパンの切り端は、瞬く間に魚たちに奪われていく。魚が集まりすぎて、もはや前が見えない。


さらに泳ぐこと数分。ついに青の洞窟にやってきた。目の前は真っ暗でよく見えない。インストラクターのこうちゃんに連れられ、暗闇を進んでいく。

「今から3秒数えたら後ろを向いてね」こうちゃんのハンドメッセージに従って、心の中でカウントダウン。「3、2、1…」体をひねり、振り返ってみると、青い光が僕を包んだ。

青の洞窟は、自然が生み出したアートだ。透き通るような海水、太陽が差し込む水中洞窟、青い光を跳ね返す白い海底。これらの条件が重なる場所でしか見ることができない。

この沖縄の自然が生み出す芸術の前で、僕はただただ呆然と立ち尽くしていた。人は自然をどこかで探し求めているのだろう。青い光はそっと僕の心も包んでいった。


心を満たしたあとは、腹ごしらえ。行きのスカイマーク便で、CAさんに沖縄のおすすめスポットを尋ねたところ、恩納村にある「うにソースのムール貝」を教えてくれた。

真栄田岬から車で10分。国道58号線から少し入ったところにある「おんなの駅」にある市場で、ムール貝は売られている。観光客だけでなく、地元の方にも有名なものらしい。

大きなムール貝の上に、これでもかと贅沢にウニソースがかけられている。一口頬張ると、コッテリとしたうにの甘さが口に広がる。ちなみに1個120円とリーズナブルな価格設定だ。ほかにも、うにソースがかかったホタテやロブスターもあるので、そちらもぜひ試してほしい。



名護市の方に戻り、次の訪れたのは「くるまえびキッチンTAMAYA」。こちらはスカイマークの機内誌で特集されていたお店の1つ。宜野座にあるくるまえび養殖場が直営するレストランで、新鮮なくるまえびを使った料理をお値打ちに楽しめる。

店員さんにおすすめを聞くと、活天丼(1,250円)だという。「活」とは、まさに生簀から取り出したくるまえびをその場で調理して出してくれるのだ。合わせて、口コミで人気だった、くるまえびのお刺身(690円)も頼んでみた。

待つこと10分。まず先に「くるまえびのお刺身」がやってきた。よく見ると、エビの触覚がかすかに動いている。「新鮮だと、調理してもしばらく動くんですよ」と店員さん。身はとてもぷりぷりしていて、まさに絶品。こんなに美味しいエビの刺身は初めてである。

さらに、活天丼もやってきた。エビはもちろんのこと、野菜やしいたけの天ぷらも絶品である。サラダ、漬物、味噌汁、デザートも付いていて食べ応えは十分だ。

ちまみに、このお店は古宇利島や美ら海水族館からもさほど遠くない。水族館を見るついでに、立ち寄ってみるのもいいだろう。




人はみな24時間という時間の中で生きている。しかし、同じ24時間という時間でも、それをどう使うかで、何倍でも時間の濃さは変わってくる。たった2日、3日でも足を伸ばしてみれば、同じ1日とは思えない時間がそこにあるかもしれない。

正味2日間ほどしかない沖縄旅だったが、僕にとっては忘れられない時間だった。沖縄の美しい自然、舌を鳴らす美食、そして時間を共に過ごした人たち…。日常に戻っても、心の中でその旅は続いていくのだろう。

(おわり)


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