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月の隣で輝く星があった

あまりに月が綺麗で驚いた。
しかし満月は次の夜らしい。
このところ曇り空が続いたものだから、こんなにも丸くなっていたとは気付かなかった。
最後に見た月はまだまだ細かったのに。

日が過ぎるのは早いなぁ。
今日の家路につく途中、見た月の綺麗さも程よい気温も静かな夜も、なんでもなさすぎていつかは忘れてしまう。
悲しいね。
1分1秒、時間が経つたびに今が失せて今が来る。
考えたことは形に残らないから、頼りは自分の記憶だけ。
でも忘れてしまうんだな。

ところで、今日あれだけ輝く月の隣で負けじと光る星があったのだけれど。
あれはどうも惑星らしい。
木星だとな。
どうりで瞬かないわけだ。

大きな光の隣に小さな光。
埋もれないもんだね。

木星からも地球が見えるのかな。
木星みたいに大きくないけどさ。


見たこともないのに知識ばかり増えるのは、なんだか本当に知ったような気分になって嫌だよ。
月の裏にも地球の裏にも行ったことないのに、画面で見ることばかりできるから勝手に知ったような気分になる。
あれが木星だってこともさ。
勝手に知ったような気分になって、勝手につまらないと感じるんだ。
頭でっかちも大概にしたい。

想像力も、現実の前では吐き捨てられる。
知りたいのに知りたくない。
そんな矛盾した気持ちができる。

無意識に規則性を求めるようになって、こうならああで、ああならこう、と当てはめるようになってしまった。
それが正しいのか否かなんてどうでもいいけれど、人の一生涯のあり方を全人類でなぞっているように思う。
今はもう、地球に住むのはご老人の歳をした老若男女ばかりかもしれない。

そのうちに幼く奔放な想像力が消え失せてしまいそうで、もしそうなったら嫌だなぁと、勝手に思うんだよ。






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