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働き方改革という名の追加業務

猫の写真、かわいい。


今回は

「働き方改革、ほんとめんどくさい」

という話です。


先日、朝礼でうちの校長先生が

「市の教育委員会から、”90時間以上の時間外勤務の教員を0人にする”という目標が掲げられたので、みなさん頑張りましょう」

という話をされていました。

校長先生、ほんとかわいい。

そういうことを言っちゃうことによって、他の職員の先生達から反感を買う、ということを分かっていらっしゃらないのだなー、と。だって、「目標90時間」ということだけ言って、マネジメント側からは何もないのです。スローガンだけ掲げて、自分達は行動を起こさない。これは裏を返せば、「お前らもっとテキパキ働けよ」ということを職員に通達していることと同じです。

僕、その場で質問しました。

「目的は何ですか?」と。

その返答は、

「最近では、教員採用試験の倍率も下がっていて、月に90時間というと、一般的な職業と比べて大変多いので…。」ということでした。

苦笑いしてしまいました。続いて僕が言います。

「しかし、学校での時間外勤務の時間だけを制限しても、持ち帰り仕事が増えたり、授業準備や教材研究の時間が削られるだったりするのではないですか?」

これに対して、よくわからない返答をしたあと、「終わり。次」と言い、やり取りは終わりました。

校長先生、かわいい。

こういう方を、フランス語で「あほ」と言うんですね。

学校での時間外勤務だけ制限し、学校以外で持ち帰り残業などで業務に当たる先生が万が一過労死した場合。記録上、残業時間は短く計測されています。その結果労災として認定されなくなる可能性もあるわけです。そうしたところまで考えられない、想像できない、というのがかわいそうです。


校長先生も犠牲者の一人です。

「働き方改革」という新たな業務。

委員会からの通達なのでしょう、素直に職員に伝達してくれています。しかし、その結果、他の先生達からの校長先生への印象はすこぶる悪くなっています。校長先生の呼びかけに対して応じる職員もごく少数です。

働き方改革という追加業務のおかげで、校長先生は自分の管理職としての仕事を全うしづらい状況に立たされてしまっています。本当に、本当に、本当に、かわいそう(KAWAISOU)です。


いや、ほんとに働き方改革なんてどうでもいいんですよね。僕としては。

働きたいだけ働いて、働きたくなくなったら帰る。これでいいですよね。

寝食を忘れて仕事に没頭する期間があってもいいし、だるーっと惰性でやってしまう時期があってもいい。それが人間です。

それなのに、いちいち時間制限がある。

なんて窮屈なんでしょうか。

そう、窮屈。窮屈なんですよ。


市教委が目標なんて決めなくても、「週案廃止」「アンケート廃止」「指導案廃止」「出張廃止」など、いろいろな業務を消せば、自然に時間外勤務は減るでしょうに。


そもそも、過労死とか鬱になぜなるのか、ということがわかっていないのだと思いますね。

労働時間ではないんですよね。実は。

大切なのは、「自分の裁量でできる仕事がどれだけあるのか」という点。

今の学校現場では、自分の裁量でできる仕事量は全体の仕事量に対してそれほど多くはないでしょう。そこが問題なんですよねー。それを知っていてほしいですね。市教委や県教委から押しつけられる仕事によって、自分のやりたいこと(誠実な先生ほど授業準備に時間をかけたい)ができなくなってしまう。そんな状況が肉体的にも精神的にもダメージを与え、最悪の場合、過労死してしまうわけです。

しかし、市教委の対応も校長先生の対応も、「やっぱりマネジメントって大事だな」と、自分の学級経営を見直すきっかけを与えてくれています。自分をさらに客観的に見ようとするようになりました。マネジメントする側が、どれだけマネジメントされる側に裁量権をもたせるか、ということを常に意識して仕事できています。


あー。じゃあ働き方改革は、まわりまわって僕の学びには繋がってるんだなー。

感謝。

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