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【カナダ】ニュースの屑籠番外編 世界中の人がこのカナダ人のようだったら、地球は何と素晴らしいパラダイスになるであろうに。。。

2月23日付のカナダの公共放送、CBCが報道したこのニュースほど、最近、私が心を打たれたものはありません。

2月6日、カナダ東部ニューブランズウィック州の州都フレデリクトンから自宅のあるサセックスに向かってピックアップ(小型トラック)を運転していたマイク・トルーマンさんと同乗していた奥さんのキャロリンさんが、国道(トランス・カナダ・ハイウエー)の路肩にゴミのような塊があるのを見つけました。

最初、車が近づいて来ると大きなゴミのように見えたものの中にギターケースがあるのがわかりました。「あんな大きなゴミをハイウエーの路肩に捨てて行くなんてしょうがない奴がいるものだと思ったんですが、ギターケースを見て、いや、あれは人間が座っていたんだ!」と気付いたマイクさんは車をUターンしてガードレイルを背にして座り込んでいる男性に近づきました。その場所は、ジェムセグという所でフレデリクトンの東約50キロの地点でした。

マイクさんが座り込んでいた男性、アーニー・ジェッソさん(50歳)と話して驚くような事実が分かってきました。アーニーさんは前日、オロモクトという所を訪れた後、徒歩でそこから約85キロ(マラソンを2回走るのとほぼ同じ距離です!)離れた自分の住まいに向かっている途中でした。前夜はハイウエーの近くの森の中で野宿し、目が覚めて歩き始めようとしたのですが、濡れた足が寒さのために凍傷になり、歩行困難な状態になってハイウエーの傍らに毛布をかぶって座り込んでいたのでした。

マイクさんとキャロリンさんはアーニーさんをピックアップに乗せ、残っていた唯一の食べ物、マフィンを差し出しました。残りの約45キロを歩かずにすみ、無事、自分の家にたどり着けたアーニーさんは大変に喜び、トルーマン夫婦の親切に感謝しました。

マイクさんたちはアーニーさんとの会話の中で、彼が30年以上カナダ軍兵士として任務につき、ボスニア紛争、アフガニスタン戦争に派兵されたこと。今は退役して昨年からハイウエーから離れたルート11近くの森の中に、ボロボロになった小さいトレーラーハウスに材木や森の中から集めてきた枝などを継ぎ足した粗末な住まいに1匹の猫と住んでいることなどを知りました。

さらにマイクさんたちは、兵士として紛争地帯に派遣されたアーニーさんがPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいるが、そのための治療は受けていないということも知りました。

マイクさんはこの一件以来、知り合ったアーニーさんの住まいを度々訪れ、食べ物や必要な品々などを届けています。「アーニーさんは決して金をめぐんでくれとか言いません。ただ、今、彼が置かれている境遇を見ると、我々は、国のために命を賭して貢献してくれた彼に何かお礼をしなければならないと思います」

マイクさんがアーニーさんとの出会いのエピソードをソーシャル・メディアで紹介したところ、カナダ全国から大きな反響があったそうです。多くの退役軍人からアーニーさんをヘルプしたいという申し出がありました。中には直接、シチューや野菜や肉料理をアーニーさんの所に届けに来た人たちもいたとのこと。

マイクさんは「アーニーさんは決して人からめぐんでもらおうとは思っていません。親切には感謝しますが、自分に必要な物以外の物は、他人と分かち合うという精神です」と語っています。

さらにマイクさんは「私はアーニーさんと出会ってものの見方、考え方が変わってきました。私はもうあれが欲しい、これが欲しいとか、不平とか不満とかいうべきじゃないと悟ったんです。だって、アーニーさんは何も持っていないのに幸せなんですから」と言ったそうです。

アーニーさんの住まいの写真をここで見せられないのが残念です。ほんとに粗末な掘っ建て小屋です。これでよく厳しいカナダ大西洋岸州の冬を生き残れるものだと思います。その住まいの前にはカナダ国旗が誇らしげに翻っています。もし以下のリンクを開けられれば写真や記事を見ることもできます。
https://www.cbc.ca/news/canada/new-brunswick/couple-say-their-life-has-changed-after-offering-a-lift-to-a-veteran-alongside-transcanada-1.5920686#:~:text=N.B.-,couple%20who%20gave%o20lift%20t%20veteran%20shivering%20on%20highway%20say,of%20the%20Trans-Canada%20Highway.

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