ニュー選択的夫婦別姓、「呼称だけ別姓」案を国会議員のみなさんへ

2018年1月9日に提訴を行いました。しかし、最高裁の判決が出るまで数年はかかるでしょう。もちろん必勝のつもりですが、先に国会が立法すれば解決する問題です。夫婦に同姓を強制する現在の法律は、精神的・経済的負担を日々、発生させています。ぜひ早急に国会議員に動いていただきたいです。

世論は変化しています。 先日、70歳より若い世代はすでに賛成多数であるとの調査データを紹介したところ、14,000回以上リツイートされ、240万人以上が知ることになりました。いまだに反対し続ける国会議員は、落選する確率が着実に上がっていきます。

そこで今回は、選択的夫婦別姓に関心を持つ方、特に国会議員のみなさんを対象に、作花弁護士が考えた新しい選択的夫婦別姓(呼称だけ別姓)案を説明いたします。これは、「夫婦別姓と言っても民法上は夫婦同姓。呼称として旧姓を法的に使えるようにする」というもので、今まで賛成しづらかった方でも納得しやすい内容になっています。

まず、比較のため、現在、離婚時にどうなるか、民法の第七百六十七条を見てみましょう。

(離婚による復氏等)
第七百六十七条 婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する。
2 前項の規定により婚姻前の氏に復した夫又は妻は、離婚の日から三箇月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができる。

離婚したら、民法上は婚姻前の氏に戻るんだけど、戸籍法によって称していた氏は使い続けられる、という内容です。言い換えると、離婚した後は「(前の夫又は妻と)呼称だけ同姓」にできるのです。

続いて、戸籍法の第十九条を引用します。

第十九条 婚姻又は養子縁組によつて氏を改めた者が、離婚、離縁又は婚姻若しくは縁組の取消によつて、婚姻又は縁組前の氏に復するときは、婚姻又は縁組前の戸籍に入る。但し、その戸籍が既に除かれているとき、又はその者が新戸籍編製の申出をしたときは、新戸籍を編製する。
2 前項の規定は、民法第七百五十一条第一項の規定によつて婚姻前の氏に復する場合及び同法第七百九十一条第四項の規定によつて従前の氏に復する場合にこれを準用する。
3 民法第七百六十七条第二項(同法第七百四十九条及び第七百七十一条において準用する場合を含む。)又は同法第八百十六条第二項(同法第八百八条第二項において準用する場合を含む。)の規定によつて離婚若しくは婚姻の取消し又は離縁若しくは縁組の取消しの際に称していた氏を称する旨の届出があつた場合において、その届出をした者を筆頭に記載した戸籍が編製されていないとき、又はその者を筆頭に記載した戸籍に在る者が他にあるときは、その届出をした者について新戸籍を編製する。

ちょっとややこしいですが、離婚前に称していた氏を使い続けたい場合は新しい戸籍を作るなどして対応してね、という内容です。

この戸籍法のおかげで、例えば、共働きで働いていた女性又は男性が、離婚後も今までの名字を使い続けることができ、仕事上の不利益を最小限に抑えられます。離婚で名前を変えるのは大変ですものね。戸籍法、優しい!

お気付きでしょうか。そうです。これを婚姻時にも適用すればいい、というのが今回のアイデアです。

婚姻時は、民法上、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する(民法 第七百五十条)」のですが、それに加えて戸籍法に「婚姻前に称していた氏を称することができる」と足すのです。

つまり、結婚したら、民法上はどちらかの氏に統一するんだけど、戸籍法によって称していた氏は使い続けられる。言い換えると、結婚したときは「(今の夫又は妻と)呼称だけ別姓」ができるようにするということです。

この戸籍法ができれば、例えば、働き続けたい女性又は男性が、結婚後も今までの名字を使い続けることができ、仕事上の不利益を最小限に抑えられます。結婚で名前を変えるのは大変ですものね。ナイスアイデア!

いかがでしょうか。

民法上は夫婦同姓ですし、子供の姓についてのルール変更はありません(=戸籍筆頭者の姓を称する)。家族制度や子供の名字について懸念を持っている方でも納得していただけるかもしれません。

最後に改めて国会議員のみなさんにお願いです。この案を参考に早急に立法を進め、社会の問題解決を推進してください。心からのお願いです。

私は、引き続き実施しております署名キャンペーンに寄せられた要望を持って、これから国会議員のみなさまとコミュニケーションを進めていきます。

国会議員のみなさま、より住みやすい、より働きやすい日本を作るための早急な活動を、重ね重ねよろしくお願いいたします。

→ 続き:「選択的夫婦別姓、改正すべきは民法か戸籍法か」

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