歌伴あれこれ

クラシックの場合、歌い手とピアニストが出てきて定位置に着いたら、歌い手が始めますの合図をしますね。うなずいたり軽く会釈をしたり、その辺りは歌い手とピアニストの力関係でいろいろですが。

そしてピアノが始まったら、歌い手は前を向いて歌います。最後まで前を向いたままです。

あらゆる情報は譜面にあります。テンポ、強弱、緩急、もちろん弾くべき音は全て書いてあって、歌い手もピアニストも熟知しています。細かいニュアンス、色付けもお互いに擦り合わせてあります。

ピアニストが歌い手の息づかいを見ることはあっても、歌い手がピアニストを見ることはまずありません。

ジャズは違いますね。

歌う前に歌い手がテンポを出さなくてはなりません。ボサとかスイングとかリズムを指定することもあります。

で、前奏が始まっても気が抜けません。譜面に4小節の前奏とあっても、この辺りはピアニストの裁量に任されていますから、4小節なのか8小節なのかまだ行くのか、音を聴いてピアニストの顔を見て「よっしゃー」て歌が始まります。

歌い手の方から、もう少し弾いてのリクエストをすることもあります。

そのやり取りがジャズの醍醐味ですね。

演奏中も随所でやり取りがあります。演奏中の業務連絡がキャッチできると、ライブ鑑賞の楽しさが増しますね。そしてエンディング。上手いシンガーのサインの出し方のかっこいいこと!思わず「イエイ!」ってなりますね。

時々ジャズシンガーでほとんどピアニストを見ない人がいるんだけど、どんな技でコミュニケーションしてるんだろ?


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