可愛い自分になれなくて

可愛い子ってどうやってなるんだろう。

彼氏がいった「かわいい女の子が好き」に呪われて生きている。その呪縛からはなかなか抜け出せない。

「ふわふわした女の子が好き」
「かすみ草みたいな女の子が好き」

その言葉を聞くだけで胸が苦しくなった。

私は同性に好かれる女の子を目指して生きていた。

髪は短く。服装は古着でスカートは着ない。
フリル、レースとは縁を切って、たまに毒を吐く。

私はそれで十分楽しかったし、満足だった。それは彼氏ができる前までの話だけれど。

彼氏が出来てからスカートを買った。髪を伸ばし始めた。可愛い下着を買った。

でも全て似合っていない。

なぜなら私は可愛くないからだ。

ブヨブヨの太った体。左右非対称の顔に、生まれつきのアトピーで傷だらけの脚。

全てが醜い。

ここまで自分を嫌いになったことがあるだろうか。

彼氏の理想になりたくて頑張って全てを治そうと思ったけれど、その「理想」に自分らしさが削られていくのが目に見えてわかる。

今日も私は「私らしさ」を削るように泣きながら美容ローラーを身体中に滑らせる。

あなたが「可愛い」といったあの子に負けないように。

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