二代目社長の悩み その1 孤独、社員との人間関係構築の悩み

職場の人間関係の問題はどこでも第一位の悩み

会社という組織では、必ず職場の人間関係が悩みの第1位に来ています。
どこに行っても、この人間関係という問題は、人を苦しめるものです。
私は親父の会社に入るまで、二代目がよくやる修行の場として、まったく別種の会社に勤めていました(銀行・証券系)

将来は親父の会社を継ぐことは既成事実だったが、その世界を知る必要があった。
職場の人間関係の悩みはそこで経験しているからよくわかる。
しかし、二代目経営者となってからと言うもの、社員時代とは全く質の異なる人間関係で悩みを抱えることになってしまった。

社員時代の人間関係の悩み

社員時代、職場の人間関係は悩みを友人の社員やよき先輩と共有することができた。
だから、人間関係で軋轢があっても、仲間意識が打ち消してくれた。
だいたい皆が共有できる悩みだから、飲みにいった時に打ち明けやすい。
それで盛り上がり、悩みなんかどこかに吹っ飛んでいるなどしょっちゅうあった。

私が気にくわないのか、よく嫌みを言ってくる上司がいた
(どうせすぐ辞めるのだろう。それじゃ経営者として失格だ、とか)
しかし、彼に何を言われても平気だったところもある。
それは人間関係の悩みを共有できる同志がいるという安心感があったからだ。

経営者から見た人間関係の悩み、それは別種の人間関係

しかしなのである。
経営を引き継いでから、何が一番苦労したか、悩みと頭痛の種だったかというと、あらゆることで人間関係だった。
今度は相談できる相手もいない。
昔の同僚とは今も懇意にしているものの、決して共有できない。
彼らは今も社員だからだ。
そう、すごく孤独だった。誰にも相談できない孤独ほど、孤独がつらいことはない。

それまでも私は一匹狼というかマイペースなところがあって、孤独に強い人間だと自負していた。
群れなきゃ何にもできない人間がいたら、ああはなりたくないと思っていた。
(決して社員時代、人付き合いは悪くなかった)
その人間ですら、たった一人という孤独感に苦しめられた。
非常につらかったのをよく覚えている。

古参社員との人間関係

どういう人間関係かというと、社員や古参重役(親父の代からの重役)との関係がまず最初の問題だった。
次に取引先との人間関係でも苦労した。
私自身、彼らとどう突きあっていけばいいかわからなかった。
当然、彼らも二代目の新社長とのつきあい方も難しかったに違いない。

しかし、彼らは社員時代の私と同じく、人間関係の戸惑いを共有できる立場だ。
飲み屋でワイワイがやがや言い合いながら「あの社長は・・・・上司は・・・・」などと言っているに違いない。
(私もやってきたことだから、甘んじて受けよう)

経営者はただ経営していればいいだけではなく

私は新たな種類の人間関係の悩みに一番戸惑っていた。
それでも、表情に出すわけにはいかなかった。
しかし、どういう顔をして会社に行けばいいのか?
社長を継いだからには、あれをしよう、これをしてやるという野望や計画が豊富にあったが、別種の悩みにとらわれた。

社長や経営者は孤独だといわれる。
しかし、この悩みは親父にもわからないだろう。
親父は社員を振り回しても平気な人間だった。
社員との人間関係? 経営陣との人間関係? それがなんだ? そういう男である。
二代目の私は、人的資源を受け継がなければならない運命だ。

親父の代をよく知っている彼らとうまくやらなければいけない強迫観念に駆られだした。
ペースが崩れる。
社員に威厳を示すべきか? フレンドリーに接するべきか?
古参重役に軽く見られないためにどうすればいい?

二代目社長はつらいよ・・・

こういうことを考えていたら、新規事業へのアイデアも具体化できない。
いっそのこと、すべて投げ出して私のやりたいことをやるために、独立した方がマシじゃないか?
二代目社長の悩みは尽きることはない。

この悩みは書くことがたくさんあるから、どんどん書いていきたい。
誰にもこの戸惑いを共有できない孤独が一層追い打ちをかけたわけだが、また今度にしましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?