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「ゆらゆら帝国」とは何か

「運命を変えた148曲:232年の歴史が刻む人生の感動と記憶」という本を出版致しました!よろしければどうぞ!

 ゆらゆら帝国ゆらゆらていこく)は、日本のロックバンド。活動期間は1989年 - 2010年です。
 ゆらゆら帝国はalbumによって全然コンセプトが違うので、その中でいくつか曲を紹介していきたいと思います。

王道ロック期(『3×3×3』〜『ゆらゆら帝国 Ⅲ』)

 私がゆらゆら帝国で一番好きな曲は「アイツのテーマ」です。
https://youtu.be/_2XLf83MkJs?si=zEL1DJJxT1mQvy8O

山を前に登りもせず 
川を前に渡りもせず
橋のない湖に立ちすくむ

【歌詞引用】「アイツのテーマ」

 これは恐らく「アイツ」の無気力・優柔不断・喪失感を表現しています。

壁の前でへこんでいる
なくなりそうな君が好きさ
消える前にこの手で消してやる 
君は僕の幻だった
遠い過去の面影なんて
何もない この手で消してやる

【歌詞引用】「アイツのテーマ」

 ここで「アイツ」は好きな女性の話で、消えるくらいなら自分の手で消してやるという愛情表現なのです。

君は僕の幻だった
遠い過去の思い出だった
何もかも 何もかも

【歌詞引用】「アイツのテーマ」

 切ない。過去の恋の話だったのです。

 先ず再生ボタンを押すと音量調整を間違っているのではないかと思ってしまう「わかってほしい」が爆音で鳴り響き、そこから四つ打ちのロックンロール「昆虫ロック」が流れたと思えば、続く「ユラユラウゴク」では突然メロウな雰囲気になり、アルバム最終部まで緩やかな楽曲が大多数を占めます。

https://youtu.be/gFn8xQNGrMM?si=web1Mb13OkHzlCv5

 もはやロックが何なのかさえ分からなくなりそうなラインナップだが、取り分けカオスな楽曲を挙げるとすれば、それはアルバムタイトルにもなっている「3×3×3」だろう。
  なお、以降のアルバムリリースは順に『ミーのカー』『太陽の白い粉』『ゆらゆら帝国Ⅲ』と続いていく訳だが、耳馴染みの良いサウンドに分かりやすいサビが乗っかる、という王道ロックを主としつつも、ある意味ではゆらゆら帝国らしくない、ないしは全く予想外なフックが飛んでくる異質な楽曲が挟まれることも恒例となり、次第にゆらゆら帝国が「何だか変なロックバンドが出てきたらしい」とシーンでも話題になっていきました。
 しかし、やはり「ゆらゆら帝国」と言えば『ゆらゆら帝国Ⅲ』の中の「ゆらゆら帝国で考え中」でしょう。
https://youtu.be/Xdn-MUiJEog?si=Jp7iThU4tca4HkTv

https://youtu.be/Xdn-MUiJEog?si=Jp7iThU4tca4HkTv

 「すべるバー」といった「サイケロック」の曲の方が好きなのは私です。
https://youtu.be/mRoXfqY7tuA?si=b_2seeTAOtchT8Ys

サイケデリック期(『ゆらゆら帝国のしびれ』〜『Sweet Spot』)

  この『ゆらゆら帝国のしびれ』をリアルタイムで購入したが、あまりにも前のalbumと違い過ぎて、吃驚しました。
 特に驚いたのが、『時間』という曲です。

時間 それは全ての人間に同じように流れているわけではないと思うよ

https://youtu.be/2X_Y3OcyZ5w?si=53XT_RJq0_5zR_Uz

 時間 それは全ての人間に同じように流れているわけではないと思うよ
 時間 それは感覚にすぎない 生きたというこよはただの機億でしかないって本で読んだ
 時間 濃密な時間 複製された時間 時間 時間 時間の大安売り
 時間のたれながし 時間の売買 時間に追われる 時間に支配される

【歌詞引用】「時間」
  

 これで「時間は全ての人間に同じように流れているわけではない」のかーとか中3の自分は思ったのですが、皆様如何思われますか。
 個人的に私は
①noteの宣伝 
②英会話30分
③仕事
④フランス語検定の勉強
➄自炊(3食)
⑥1本記事を書く(1,500字程度)
⑦コミュニティの運営

と7つのルーティンをこなさないといけないので、1日がすぐ終わるが、怠惰に過ごしていると1日が48時間みたいに思えます。大体眠剤飲んで寝て日が過ぎるのを待つのですが。
 そういうことないでしょうか。

2枚組アルバム『ゆらゆら帝国のしびれ』と『『ゆらゆら帝国のめまい』

 ”ネクストゆらゆら帝国”の幕開けを飾った『ゆらゆら帝国のしびれ(以下しびれ)』と『ゆらゆら帝国のめまい(以下めまい)』の対照的な2部作は未だにゆらゆら帝国屈指のサイケアルバムとの呼び声も高く、同時に好き嫌いがはっきり分かれる問題作として位置しています。
 リアルタイムで購入していたから、『3×3×3』〜『ゆらゆら帝国 Ⅲ』を期待していた時分にとってはかけ離れたものでした。
 従い、ゆらゆら帝国は「サイケロック派」か「そうでない派」で分かれると思うのです。

終焉(『空洞です』)

 こうしてゆらゆら帝国は、伝説的アルバム『空洞です』のリリースとアルバムを携えた全国ツアーを最後に解散しました。
 その理由は「この3人でしか表現できない演奏と世界観に到達した、という実感と自負がありました。しかし、完成とはまた、終わりをも意味していたようです」「ゆらゆら帝国は完全に出来上がってしまったと感じました」(坂本慎太郎解散コメントより)というもので、これまでの歩みを全て見てきた人なら、誰もがある程度納得するものでもあった。
 特に『空洞です』を聴いていたら納得が出来ます。
https://youtu.be/mKUhq7SYouA?si=IigWYjrd8H8biRL9

https://youtu.be/mKUhq7SYouA?si=IigWYjrd8H8biRL9

まとめ ゆらゆら帝国とは何だったのか

 ここまでつらつらと綴ってはきたが、長らくのファンであっても「ゆらゆら帝国が何だったのか」を形容出来る人はほとんどいないはずです。
 何故なら彼らの楽曲は思いを詰め込むとか現実の辛さを歌にするというものではなく、徹底して抽象的なイメージを崩さなかったからです。

 本当にミステリアスなままいつしか売れて、いつしか解散していたゆらゆら帝国は、あれから何年も経ってかつて見えていたが今は見えない蜃気楼のように、朧気な存在だけが記憶として残っています。

是非1回聴いて欲しい

 今回是非ともゆらゆら帝国の素晴らしさに触れてほしいし、あわよくば今回の記事をきっかけに、彼らの楽曲に興味を持った人が増えれば尚嬉しいです。
 最後までふらふらと、不明瞭だったゆらゆら帝国の姿をあなたが見ようとしたとき、きっとそこには新たな世界が広がっているはずです。

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