地震でブラックアウトした地元にいる友人たち

私は札幌出身で、現在は東京に住んでいる。

先日の胆振東部地震(ちなみに胆振って読めます? イブリです)があったとき、当然ながら私は東京にいて、被災していない。

だけどその日は、仕事が手につかないくらいに動揺してしまった。

この記事にも書いているのだけど、私はすぐに両親の無事を確認した。

だけど、友人への連絡はしなかった。停電しているので、スマホの充電が減るといけないからだ。

この記事で、私は札幌の友人たちのことをこんなふうに書いている。

札幌にいるミホやトモヨやメグミのことを想像してみる。
ミホは「マジ電気復旧して欲しいわ~!」って文句言いながら車で仕事に行ったんじゃないかな。トモヨは、内心は不安だけどいつものポーカーフェイスで過ごしてそう。メグミはたぶんまったく動じてなくて、今夜も熟睡するんだろうな。
たぶん3人とも、私が心配してるのを知ったら「サキほんと大げさだよね~!」って呆れるんだろうなぁ。「っていうか、むしろあんたが大丈夫?」って心配されそう……。

で、実際はどうだったか?

今日は、その答えあわせ。

7日の昼間、札幌市ではだいぶ電気が復旧してきたと知り、LINEグループにメッセージを送った。

すると、すぐにミホから返信。家はすでに電気が復旧しているそうだ。仕事が休みで、体調が悪くて病院に来ているという。

彼女は今は札幌から車で2時間ほどの町に住んでいる。震源から遠いので、札幌ほどは揺れなかったようだ。

だけど、夕べは眠れなかったという。そりゃあそうだよね。

そのあと少しして、メグミから返信。電気は戻らないが、会社でスマホを充電しているという。

出勤してるんだ……。えらいなぁ。

メグミは私の予想通り、地震に動じていなかった。

小4で出会ってから今まで、彼女が動揺しているのを見たことがない。ストーカー被害に遭ってもチャリ通勤をやめなかった女だ。

しばらくして、トモヨからも返信。

自宅待機命令出てたけど、スマホ充電したくて会社来たら、仕事手伝わされてるさw

なんだかのんきそうだ。

そっち、電気復旧してないんだ
まだだね
じゃあうちの実家もまだだろうな

※LINEの文章はすべて意訳で原文とは異なります。

トモヨはこの中で唯一実家に住んでいる。

つまり、彼女だけが全員の地元であるA区にいるのだ。


4人で、LINEのトークルームで地元の安全を祈る。

トモヨとメグミは会社にいるはずだけど、この有事で暇なのか、トークに参加していた。

祈りが通じたのか、

今おかんからLINE来て、うちの実家は電気復旧したって!

とミホ。しばらくして、

うちはまだみたいだわ

とトモヨ。家に電話したのかもしれない。

サキの実家は?
返信来なくなったから、たぶんまだ停電してるわ
おじさんとおばさんは大丈夫?

私の両親のことだ。

大丈夫。昨日の夕方までは親とメールできてたよ

すると、トモヨが

会社の帰りにサキの実家見てこようか?

と言ってくれた。

トモヨだってまだ家が停電しているのに。余震もあるし、スーパーは品薄だし、不安だろうに。

私の両親のことまで気づかってくれて、ありがとう。

ありがとう。でも、大丈夫だよ。

トモヨの会社から私の実家を経由して帰るとなると、けっこうな遠回りになる。明るいうちに帰れればいいけど、もし暗くなったら、停電している地域は街灯がなくて暗いだろう。そんな中を、トモヨに歩かせるわけにはいかない(徒歩通勤なのだ)。

そう? もしも明日も連絡とれなかったら言ってね。見てくるから

その気持ちがありがたくて、ちょっと泣きそうになった。

私は何もしていない。だけど、トモヨもミホもメグミも、「心配してくれてありがとう」と言ってくれた。

もしも彼女たちに何かあったら、私は一目散に札幌に飛んでいく。もしも私に何かあったときは、遠慮なくLINEグループに「助けて」と書く。

私にとって、友だちはライフラインだ。経済的な支援や、介護や看護だけが支援じゃない。精神的な支援だってライフラインじゃないか。

私の家族も親戚も友人たちも、たまたまみんな無事だった。だけど、この地震では多くの方が亡くなっている。今も、避難所にいる方がたくさんいる。西日本豪雨でも、台風21号でも、たくさんの方が被害に遭い、今も不便を強いられている。

私は、すべての人を支えることはできない。だからせめて、自分の周りの人たちのことは支えたいと思う。

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