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顔出しすることになった話

仕事で顔出しをすることになった。

その経緯は実に私らしいものだ。

ある打ち合わせの席で、私が顔出しする前提で話が進んでいた。強要とかではなく、私が顔出ししていないということが、先方に伝わっていなかったのだ。

「あの、私、顔出ししてなくて……」と言ったものの、相手の動揺した表情を見て私も動揺してしまい、咄嗟に「あ、大丈夫です!」と言ってしまった。

すごい。この拒否のできなさ。さすが、小学生時代に「八方美人」と陰口叩かれてただけある。

というわけで、私は顔出しをすることになった。

誤解されたくないのだけど、相手に問題があったわけではない。威圧的だったとか、無理強いされたということは一切ない。

拒否しようと思えばできたのに、私が相手の心中を忖度して、自ら引き受けてしまった。

こんなふうに過剰に相手の顔色を伺ってしまうのも、ある意味ではコミュ障なんだと思う。

家に帰って夫に話すと、「どうしても嫌だったら、今からでも謝って断ったら?」と言われる。

そこで、自分の心に「どうしても嫌なのか?」「だとしたら、それはなんで?」と聞いてみた。

じっくり自問自答した結果、顔出ししたくない理由は下記の2点。

①自分の写真を見るのが苦手だから。自分の写真がアイキャッチになっている記事がTLに流れてきたら、不快さでブラウザを閉じると思う。しばらくはSNSを見られないかもしれない。だけど記事を拡散しなきゃ……というジレンマに陥りそうで嫌。

②やったことがないから、漠然と「なんか怖いこと起きそう」とビビる。

意外にも、理由はどちらも自分目線のもので、「他人からの反応が怖い」とかではなかった。

②はたぶん、「やってみたら意外と怖いことは起こらなかったわ」という結論になるだろう。今までもそうだった。漠然と怖がっているだけで、顔出しによるデメリットとして具体的に思いつくものは少ない。

だけど①は……。これは気持ちの問題だから、コントロールのしようがない。

こういうことを書くと「美の基準は人それぞれ」とか言い出す人がいるのだけど、そんなことは中学生くらいから気づいていて、私は私の基準において自分の容姿を低く評価している。

人がどう思うかは関係がなくて、あくまで自分の視界に入れたくないのだ。

だけど、仕事となると、視界に入れないのは不可能だ。今からでも断ろうか……?

結論から言うと、私は顔出しすることに決めた。

この仕事を顔出しで引き受けることによるメリット・デメリットを書き出したとき、メリットのほうが大きかったからだ。意外と言われるが、けっこう損得勘定で動く。

あのときは咄嗟に引き受けてしまったが、こうして冷静に決断をすると、これは自分で決めたことだという実感が増す。

あとあと嫌な思いをしたとしても、責任は自分にある。そう思えば案外、清々しい気分になった(人のせいにするほうがしんどいときってある)。

私は初めてのことに臆病だけど、意外と適応力があるから、何回か顔出しで仕事したら慣れるのではないか。

……と楽観視しているのだけど、どうなることやら。

はじめての顔出し仕事、詳細は後日書きます。勘がいい人なら、今日の「小屋ガール通信」の末尾で気づくかも。

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