吉田進み矢

絵本史研究家。出版のお仕事を川上から川下まで28年。ずっと児童書・絵本担当。大阪出身埼…

吉田進み矢

絵本史研究家。出版のお仕事を川上から川下まで28年。ずっと児童書・絵本担当。大阪出身埼玉在住。絵本の講座をやってます。「絵本沼」で検索。

最近の記事

非流通絵本_『ある日、ある島で。』(1991/東京電力)

僕は絶版絵本や雑誌のバックナンバーの蒐集が趣味で、新刊書店では入手できないそれらをネットや古書市やBOOKOFFで漁っている内に、気づけば「企業・団体等によるノベルティ、PR用の絵本(ISBN、本体価格表記無し)」も買うようになっていました。絶版絵本同様にこれらも「会った時に買っておかないと次は無い」類のものなので、琴線に触れたのだと思います。 で、何年か前に土屋鞄製造所のノベルティ絵本『かばんねこ』について触れた時、これら非流通絵本はお客様に財布を開いていただく必要が無い

    • 絵本はなぜロングセラーが強いのか?

      出版取次のトーハンは児童書の販売促進ツールとして「ミリオンぶっく」という小冊子をつくり、帳合書店の店頭で配布している。 ・こころを育てる絵本たち ミリオンぶっく これは累計発行部数100万部以上の絵本をまとめたもので、やり方はベタだが、それだけにわかりやすくて効果は固い。 絵本というジャンルはパキっとしたロングセラー偏重で、「ロングセラー在庫を切らさない」ということは、児童書売場作りの基本中の基本となっている。売れるかどうかわからん新刊よりも、売りが見込めるロングセラー

    非流通絵本_『ある日、ある島で。』(1991/東京電力)