見出し画像

やれたかも委員会2巻作者解説。

やれたかも委員会2巻が出たので各話のこぼれ話などを描いてみようかと思います。
セルフライナーノーツ。


case009 2人だけのガンダーラ
2巻の始めはインド編。
僕は20歳ぐらいの頃バックパッカーの真似事のようなことをしていた時期があり、二週間ほどインド一人旅もしたことがあって、ずっとそのことを漫画に描きたいと思っていたのですが、今回ようやくそれが叶いました。
というわけでまあ実話が混ざった話です。
当時は旅費のほどんどをだまし取られたし、インドがむちゃくちゃ嫌いになりましたが、もう15年以上前の話なので今行くと好きになれるかもしれません。



case10 ウルトラソウルと真夏の夜の夢
投稿してもらったエピソードを読んだ時に「こんなことがあるのか?」と声に出して驚きました。
しかし描いて発表した後に「似たような体験が僕にもあります」という意見ももらったので、世界のどこかで人知れずこのようなことが起こっているのかもしれません。
世の中捨てたもんじゃないですね。



case011  映画友達になってよ
ある女性との思い出が男性のその後の趣味さえ決定してしまうというのがとてもいいと思ったので、採用させていただきました。
20代の時ってなんだか付き合ってもいない女の子と定期的にドライブしたりすることってあったような気がします。
すごく時間がたくさんあって、口説き方もわからないし、どうしたらいいのかわからず、「また今度会った時にしよう」と思ったりしているうちに、携帯を変えたりして、気づけば連絡がとれなくなったりして。
そういうのロングレンジの男女の関係が描ければいいなと思いましたがどうでしょうか。



case012 告白しちゃう問題
この話はいい話ですね。ものすごく共感します。
どうすればいいかわからず、「うわおえあえうえおjふぉあjうぃおあいおー!!!!」となって
「好きです。」と言ってしまう。
僕にもあった気がします。
サブタイトルは「口説けない病(やまい)」とどっちがいいか悩みましたが、なんか伝染病みたいでヤバそうなので、「告白しちゃう問題」になりました。
極めて正解だったと思います。



case013 鋼鉄のガールフレンド
このお話も好きです。
これはメールではなく実際お会いしてお話を伺いました。
お話を伺ってる時点でラストの「塚田、星崎」と畳み掛けるラインが浮かんで、これは描けそうだぞ。と思いました。
寮のお風呂のシーンも気に入っています。
サブタイトルはセガサターンのエヴァンゲリオンの名作ソフトからお借りしました。
頭がエヴァンゲリオンで一色だった時期によくやっていたゲームです。




case014 リードできる人材
ホテルに行くもコンドームがないというのは「トイレでウンコをしたあとに紙がない」と同じぐらい割とベタなお話だと思うのですが、そういうお馴染みの話でも、見せ方や演出を工夫すると面白く描けるのではないか、と挑戦してみたお話です。
どうでしょうか。




case015 大阪LOVER
これはとてもお気に入りのお話です。
エピソードを投稿してくれた方の文体がとても美しく、ほぼそのまま描かせていただいています。
作画の際に東村アキコさんの「超速!!漫画ポーズ集」という本を買って、人物はかなりトレースを使っているので、人体の描き方に乱れがなくて、そこも物語を邪魔しないように描けた気がします。
紙書籍の表紙にも採用された太陽の塔をバックにバイクに乗っているシーンはスタッフOさんが描いてくれました。
最初もう少し違う構図でトレースしてもらっていたのですが、やっぱ違うと思って描き起こし直してもらいました。
直してよかったと思います。
何回読んでもいい話です。(自画自賛)




case016 完全個室隠れ家レストラン
2巻のラストはかなり前からこのcase015とcase016の2つにしようと決めていてこれ以上にないぐらい予定通りに運びました。
cakes公開時にはてなブックマークが久々に盛り上がり、様々な意見が出てましたが、僕が個人的に一番気に入った感想は「くっそみたいな女だな」と吐き捨てるように書かれた書き込みでした。
いや、それもわかるけども!
こういう女の人ってより魅力的に映ったりしますよね。
いやはや女性というのはわからないものです。




特別編 多動力の男
実業家堀江貴文さんのお話を元に漫画化しました。
堀江さんはクラウドファンディングに出資していただいたことをきっかけに、イベントに呼んでいただき、そこでお話を伺いました。
ちょうどその頃AbemaTVのドラマの話を詰めている時期で、Abemaさんから「ドラマオリジナルの話も欲しい」と言われて、じゃあこないだ聞いた堀江さんの話を描いてみようということでネームを描いてみたら、意外と面白くなったので、採用となりました。
単行本で読んだ方から「堀江さんの話の蛇足感が半端ない」という感想をいただいたのですが、そこも僕としては気に入っています。
なんかサーヴァイブしてるなって感じが出てないですか?
堀江さんには「好きなようにいじってもらっていいですよ」と言っていただいたので、すごく楽しんで描けました。



というわけで、結構面白い自信作です。
どうぞ宜しくお願い致します。



電子書籍

紙書籍

LINEスタンプ

オリジナルグッズ「やれたかも札」

サポートしていただけたら小躍りします。