note売り上げ報告修正版

バズった後のこと一部修正します。やれたかも売上報告Deep

1週間前に「バズった後のこと。やれたかも売上報告」というnoteをアップしたのですが、1週間で約25000のアクセスがありました。
来年1月に発売される3巻のプロモーションになればと思い、結構頑張って書いたので、広く目に止めていただけて良かったです。(宣伝になったかは疑問ですけど。)


たくさんのご意見をいただいた中に「商業誌でやっていたら電子の売上が半額としているが、もっと低いのではないか。」というご意見がありました。一応僕なりの根拠に基づいて出した数字でしたが、調べてみると明らかに間違っていたので、訂正させていただきます。
まずはお詫びを。誤った数字を広めてしまい申し訳ございませんでした。
誤りを訂正するとともに、今回の記事に対するツイッターでの反応について私見を書いてみたいと思います。


目次
・売上報告一部修正
・出版社に頼んでも本を売ってくれないのか
・あれだけバズって1000万か
・まとめ


・売上報告一部修正

この部分ですね。個人で電子配信したら814万円なので、出版社経由だと407万円と書きました。この数字を出すときに根拠にしたのは僕が出版社とお仕事したときの出版契約書です。その契約書の中には電子出版の著作使用料の「計算式」が書かれていますので、そちらを参考にしました。
ただ、僕がその契約書を交わしたのは原作者として交わしたものだったので、共同著作者がおり、「書籍印税率が折半だったので、電子出版の利益も半分になっているのかな。」と推測し、利率を倍にして計算しました。
ところが今回ご指摘を受けて、いろいろ調べたところ、1人で描いてる作家も同じ計算式のようでした。
なぜ共著の場合と1人で描いた場合と計算式が同じなのか、なぜ紙書籍が折半で電子書籍は折半じゃないのか、さっぱりわかりませんが、印象としては適当なのかなと思いました。誰も契約書の計算式まで突っ込まないからかもしれません。
ともかく、その計算式で計算しなおすと、出版社を通して配信した場合は個人の配信した場合の約3分の1の231万円ぐらいになるようです。
というわけで前回の表を修正しました。
どん。

11ヶ月分の収入の差が341万円になりました。
結構差が開きますね。人を1人雇用できる額です。
というわけで数字が間違っており大変失礼しました。
こちらで報告を締めさせていただきます。

続きましてツイッターでの反応を取り上げさせていただきまして、私見を書いてみようと思います。

・出版社に頼んでも本を売ってくれないのか

これはそうですね。
僕はこれまでの経験上、基本的には「出版社に頼んでも積極的に本を売ってくれない」と思っています。
やれたかも委員会は版元の双葉社さんはたくさん刷っていただいたし、書店でも大きく展開していただいて、大変感謝しています。
にも関わらず、なぜそう思うかというと、ちょっとした裏話になりますが、昨年1巻発売前に出版社に招かれまして、営業部偉い方やその他十数人の営業の方から代わる代わる名刺を渡され、ご挨拶されたことがありました。20人ぐらいの人に囲まれて、圧迫感というかなんとも言えない迫力がありました。
その後、ネット担当の方から「やれたかも委員会の公式ツイッターアカウントを作って盛り上げたい。」というご提案がありました。
フォロワーが順調に増えていくという予想推移のグラフを見せられ「○○という作品の時には公式アカウントを開設して半年で7万人のフォロワーを獲得した。我々にはその時のノウハウがあるので、今回もそれができる。」ということでした。
僕は「ふーん」と思いながら、「具体的な施策はあるんですか?」と聞いてみると、「フォローしてくれたら単行本プレゼントなどの企画をします。」と正直どこにでもあるような企画で「マジか。」と思いました。
僕は自分でフォロワーを増やすのがどれだけ難しいか知っていたので、「ちょっとこれじゃあ弱いと思うんですが、大丈夫ですか?」と伺うと、「まだまだ考え中のやつがあるんで任せてください!(笑顔)」ということでした。

そういう流れがあってからの、現在のやれたかも公式アカウントがこちらです。どん。


フォロワー1756ー!!!
最終ツイートほぼ1年半前ー!!!
ノウハウどしたー!!!???
そしてこのキャンペーンというのも行われてないー!!!

これも電子を自分でやっていて、生活が安定しているから笑えることです。先方の話を鵜呑みにしてたら腹が立って仕方なかったと思います。
別に恨んでいるわけではなく、出版点数が増えてる今、皆さんむちゃくちゃ忙しいのだと思います。ただSNSは誰でも自由に書き込める分、約束を守らないと損になります。キャンペーンやると言ったらやらないと、信用を失います。
他にも色々あるのですが、このツイッターアカウントが「この本に対する営業のスタンス」をすべてを表しているなぁと思います。
「出版社は積極的に本を売ってくれない」というか、もっと正確に言うと「積極的に売る方法が今見つかっていないんだろうな。」と思います。


・あれだけバズって1000万か

ドラマ化もしてあれだけバズった作品でも1000万か。というツイートもたくさん見ました。
確かにそうだと思います。
しかしちょっとこういう見方もできるのではないかと思うことがありますので、前回のグラフを詳しく見ていきたいと思います。

このグラフから読み取れることを2点挙げてみます。
電子書籍の売上(赤い線)は2017年7月8月と100万円ずつ売り上げて、そのあと32万円とガクンと下がります。しかしその後さらに下がることはなく、そのままキープして、2巻発売時にまた100万130万と売り上げています。
2巻発売時の売上が1巻を超えてくれたのが個人的には最も嬉しい結果でした。読者が待ってくれていたということだと思います。
その後またガクンと60万円まで下がります。
何が言いたいかというと「紙の本とは売れ方が違うのではないか」ということです。
紙の本はたくさん刷って帯に「100万部突破」と書いたり、賞を設けたりして、ニュースを作り、量やスピードで勝負していくイメージがあります。そもそも書店のスペースに限りがあるので、初動が悪ければお店で売られることもなくなります。
ですが電子書籍は地味にコンスタントに売れ続けるようです。
1巻同様に推移すると仮定すると、このグラフの先の2018年8月以降も売上はそこまで下がらず、月50万円〜60万円で推移するのではないかと思います。それでまた3巻の時にまた100万を超えてもらえると嬉しいなというところです。
3巻4巻とクオリティーを保ち続けて、定期的に新刊を出せていれば、その下がった時の40万が50万になり60万になるというように、少しずつ積み上がっていくのではないかと思います。

もう一つわかることは2018年1月からAbemaTVでのドラマ化され、作品の知名度がかなり上がりましたが、電子の売上的にはそこまで伸びていません。逆に2巻発売と重なった2018年の5月のMBSでのドラマとセールの時は大きく売上を伸ばしています。
つまりドラマ化というニュースは派手で拡散力がありますが、それ単体ではあまり売上につながらず、新刊を出すということと合わさって初めて相乗効果が生まれるのではないかと言えると思います。
以前読んだ森博嗣さんのエッセイに「新刊を出すというのが、作家にとっての1番のプロモーションである。」という言葉がありましたが、それは紙と電子両方に言えそうです。


・まとめ

というわけでツイッターでの反応に対する私見に加えまして、深く掘り下げてグラフを見てみました。今までは発行部数何百万部ということだけが、売れ行きの指針でしたが、それも少しずつ変わってくるのかもしれません。
ここで書いたことが、絵空事になるのか、実現するのか、また来年にでも報告したいと思います。続報お待ちください。
1月発売の3巻も何卒よろしくお願いいたします。
おわりんこです。


[宣伝]

やれたかも委員会3巻 2019年1月27日発売!
電子書籍カバーはこんな感じになりました。秋色新色。
定価は税込500円。
紙書籍はまた双葉社から刊行されます。
カバーは鋭意製作中。(担当さんが)
何卒よろしくお願いいたします。

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