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ビル倒しと環境問題?

京都で働き始める

前回の「大学での学びと環境問題」の続きです。

大学生活も終わりに近づき、就職活動の時期になりました。
志望業界は、新聞社と出版社でした。
そうして多くの版元にエントリーしましたが、その中で学術出版社のミネルヴァ書房が採用をするということを知りました。

大学の先生方の本を作るというのも、深く考えることができてよさそうだと思って申し込みをしたところ、まさかの内定をいただきました。
そして就職活動を終えたのでした。
(就職活動の詳細は、後日またの機会に書こうと思います)

出版社の多くは東京に本社があるのですが、ここは珍しく、京都に本社があります。
京都は、ご存知の通り大学が非常に多い都市です。
そのため、大学の先生や学生を相手にした出版社が数多くあるのです。
というわけで、縁もゆかりもない京都に引っ越して働き始めました。

どんなふうに仕事をやっていたのか?


最初の2年間は、校正や先輩社員の編集補助をして修行をしていました。
そして3年目から自分の企画を立て始めたのですが、何をやろうかと思ったとき、三つのことを考えました。

一つは、ビル倒し。
よく営業系の会社で聴く話ですが、ビルの上から下までドアをノックして、営業して回るあれです。
学術出版社の編集者は、大学院修了者も多く、学部卒だと専門知識も少なく、論文の扱いにも慣れていないこともあり、スタートは圧倒的に不利なのです。
そこで、若さを武器に、何も知らないのをいいことに、大学の研究室にアポなしで訪れ、片っ端から訪問し、

「すいません、この度編集者になったので、先生の研究を教えてください!」

と聞いて回りました。

先輩社員には、

「そんなことをしたらポリシーがないと思われるからやめろ」

という人もいれば、

「そんなことを実行した奴はいないから、とにかくやってみろ」

という人もいて、

「ああ、やり方には正解はないんだな」

と思いました。
もちろん、どちらもご自身の仕事の経験からのアドバイスで、それぞれに理があることは間違いない。
でも、実行するのは結局は自分。
自分を信じるしかないのだな、と思ったのです。

もちろん、全ての大学の全ての研究室なんて回ることはできず、数校やって終わったのですが、
もともとあまり興味のなかった分野の話も伺うことができ、ちょっと意識して視野を広げることの大切さに気付きました。
今まであまり出ていないジャンルであっても、今後伸びる可能性はあるので、選択肢は増やしておいた方がよさそうです。

二つ目が、メディア論。
この辺は、大学時代の専門領域とも関わりますし、
そこはもっと深掘りしたい気持ちもありました。
お蔭様で、この界隈の本は多数担当することができました。
(こちらについても、また改めてご紹介します)

そして、環境問題です。
大学時代に環境サークルに関わっていたことは前回も書きましたが、
その活動の一環で、全国の環境サークルをネットワークする団体にも関わることになりました。エコ・リーグです。

大学のサークルだけではなく、若手社会人も含めた環境問題に関心を持つ青年層のネットワーキングが中心の団体です。
当時、メーリングリストはあったものの、SNSは未発達で、大学生の終わり頃にようやくmixiが登場しました。
そのため、ネットワーキングを主な目的とした中間支援組織の役割が、今よりも大きかったのです。

そして、職場が京都だったという話を書きましたが、
大学は東京にあったので、同じ大学の友人が全然いないのです。
いきなり、アウェイ。
そうなると、全国の学生団体時代のネットワークが、とても大きな助けになったのです。
当時、エコ・リーグの事務所は、東京の他に大阪にもありました。
そのため、仕事の傍ら、土日を使ってエコ・リーグにも顔を出していました。
今でいう「二枚目の名刺」に近いイメージです。
休日には職場と違うコミュニティに所属するというのが、ちょっと新しい感覚もあり、同じように考えている社会人も多く集まっていたこともあり、楽しい関西生活をスタートすることができました。
知っている人が近くにいるというのは、単純に嬉しいですよね。

え、話がそれてる?
仕事と関係ないのでは?

そう思われるかもしれませんが、
実は、ここが仕事と密接に関わってくるのです。

その詳細は…次回!


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