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今回のnote 募集テーマに「旅とわたし」というものがありましたので、旅行業界で10年間働いている私の個人的な意見を記載させていただきます。旅行感とは少し異なるかもですが、ご了承下さい。

人はなぜ旅行をするのか?


MBAの大学院のゼミの先生から、卒業式の謝恩会で言われて衝撃を受けた質問があります。

「人はなぜ旅行するの?無駄じゃない?」

これ言われた時に、10年近く旅行業界で働いてるのにもかかわらず、考えたことありませんでした。回答できませんでした。名古屋から東京へむかう帰りの新幹線の中でも、ずっと凹んでいました。ってか途中から酔っ払って寝てました。w

こんなことも考えたことなかったって、俺いままで何してたんだろうと。。

それからいろんな人とこの質問の話をしながらおもったのですが、旅行業界の人ってこの質問の回答を

人が旅行する理由は、非日常体験をすることで楽しさを感じたいと思ってるから

と言う人が多いと思います。

確かに私もそう思っていました。ただ、よく考えたらそれで行くと説明できないことがあるんですよね。

それは、定期的に同じ地域を観光し・同じ宿に泊まる旅行者の方々です。いわゆるリピーターですね。特に出張者の場合、リピーターの割合って50%とか普通にあるんですよね。

出張って毎月してたりするので、同じエリア同じ施設に泊まることって非日常とは言えないんじゃないかなと思います。

では・・・やっぱりなんで人は旅行するのだろうか。。。w

色々考えたんですが、

西田の回答

目的を達成するために、旅行・出張をする

というのが、私の回答になります。これを今から説明します。


西田の回答の説明

まず旅行をすることで旅行者が得られるものは、「人に話せる体験(=ネタ)」です。

人に話せる体験(=ネタ)
・失敗談
・絶景の写真
・美味しい料理の体験談
・良かったこと などなど

他人とのコミュニケーションの中で、ネタのストックは必須です。そのネタを作りに行くという意味でも、人は旅行します。

それから「自分や同行者のため」にも旅行すると考えます。

自分や同行者のため
・子供の可愛い写真を撮り溜めしたい(この前の我が家の石垣島旅行で嫁のモチベーションはこれでしたw)
・子供に経験させたい体験がある
・家族への貢献を見せる
・同窓会してそのままゴルフする
・人には話せない体験をしに行く?w などなど

ただ出張の場合は、ここに「仕事で結果を出すため」が入ります。

仕事で結果を出すため
・夜に取引先と会食する
・翌日のプレゼンのために前泊して備える
・取引先のホテルに宿泊して相手への貢献を体現する

でもこれって、「非日常を体験するため」とは、少し違いますよね。どちらかというと仕事で結果を出すために、日常(=知ってる範疇)に限りなく近い環境の方が良かったりしますね。

そう考えると、全ての旅行者にあてはまることって、「非日常」ではなく、

「必ず目的を持っている」ということかなと思います。

そしてその目的を達成するために、最適な旅程を作るのだと思います。そして目的は1つだけではなく複数の場合もあります。

(例)今回の私が達成したかった目的@石垣島旅行


・航空券+宿を扱う旅行会社の人間のくせに、売上の大きい石垣島に行った事がない状態を変えたい→旅行先は石垣島にする
・石垣島に行ったのに、八重山諸島の他の島に1つも行っていないと言われたくない→竹富島も旅程に追加
・子供の可愛い写真を撮って、年賀状で使いたい→石垣島で琉球衣装体験をして写真撮影
・子供が直感的に楽しいと思える体験をさせたい→そういうアクティビティを多数予約

こんな感じになります。結果として私は目的を全て達成する事ができました。

※石垣の旅程は下記を参照ください。
https://note.mu/yoshihiro_n/n/ndc1744f243c4

以上のことから、私としては人が旅行・出張をする理由として

目的を達成するために、旅行・出張をする

と考えます。


ちなみに、そもそも「旅行をする事がなぜ楽しいと感じるか?」も所感を書こうと思います。

旅行をする事がなぜ楽しいと感じるか?

それは「緊張と緩和のバランスが良いから、気持ちよくなるから」だと思います。

旅行における緊張と緩和とは何か。。。

緊張
・知らない土地に行く
・知らない人と話をする
・普段と異なる言語で話さないといけない
・知らない交通機関を使わないといけない
・乗り過ごす事ができない飛行機を使わないといけない
・見たこともない施設に泊まらないといけない

緩和
・ネットで調べた通りの絶景が見れた
・旅先で仲良くなれた、友達が出来た
・自分の英語でもコミュニケーションできた、通じた
・ちゃんと乗り換えできた
・旅程通り動けた
・ちゃんと寝る事ができた

こんな感じかなと思います。旅まえの旅程づくりのところでは緊張を感じながら、旅なかでは緩和されていく(もちろん緊張を味わうことも多いですが)といったことでしょうか。

旅行形態そのものも緊張と緩和で説明できます。

旅行における緊張と緩和の歴史

そもそも旅行は昔は緊張の塊のようなものでした。トラベルの歴史はトラブルの歴史だという記事も多いですし、travelの語源も古代ゲルマン語のひとつ、アングロ=ノルマン語でtravail(読み:トラバイル)だそうです。そしてその意味は、苦労・骨折りだとか。そしてその緊張を少しでも緩和するために、様々な法律や約款が生まれて旅行者保護がされていきます。

団体旅行、旅行代理店が流行だった時代では、「緩和(安心)」に旅行者が重きを置いていました。みんなで同じ行動をして、同じバスに乗ってツアーガイドの方が先導しながら観光地を巡るという旅ですね。出張も昔は旅行代理店の窓口でやっていましたからね。

それがインターネットで情報を個人が取りに行けるようになってからは、「緊張」の方が強くなってきています。個人旅行で自分自身がネットで旅行を手配し、一人で巡って帰ってくるということも普通になりました。

また、最近では民泊も大きなトレンドになっています。これは「緊張」の要素がさらに強いと思います。他人の家に泊まりにいくという行為は、ホテルに泊まることよりも緊張が強い行為ですが、その緊張を味わいたい人が増えてきているのだと思います。

旅行には形態によって、様々な「緊張」と「緩和」の濃淡が存在し、それらを好む様々な旅行者がいます。そのため、今後の旅行会社は、その「緊張」と「緩和」の濃淡を一つのサイトの中で調整できるようになっていくのだと思います。

特に旅行会社は今でも、旅行保険を追加出来るようにしたり、旅程を旅行者の代わりに組んであげたりするなどして「緩和」を強めることは得意です。

ただ「緊張」を強めるということは、まだあまりできていないと思います。旅行会社を使って「緊張」を強めていくこともできると、面白いですね。

当日その時間にならないと旅程を教えない、ただし指示された旅程は必ずやり遂げないといけないという縛りを設けたりとか。w

かなり話が長くなりましたが、旅行が人々を楽しく、気持ちよくさせるのは「緊張」と「緩和」のバランスだと私は思います。皆さんの旅行もそうなのでは??

書くことで思考が整理されました。あースッキリ!

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