今年も山の日が来た。

8月11日。今年も山の日が来た。


私にとっては、山の日は結婚記念日でもあり、大切な日だ。

昨年のこの日は、尾瀬でテント泊していたけれど、今年は夫が旅行中のため、山の日を一人で過ごしている。

山の日は、Twitterのタイムラインが山の景色で埋まるので楽しい。

それぞれの頂に、それぞれの喜びがあって、キツかった!大変だった!でも最高!と、みんなが笑顔で写真におさまっている。

家にいてなんとなくビールを開け、テレビをつける。

すると、「みんなで登ろう!!日本百名山スペシャル」という番組が録画されていたので観ることにした。

よく私は人から、どの山が一番好きかと訊かれる。
私の答えはいつもきまっている。
一番最近に行ってきた山である。
「日本百名山」後記

それな!!

と、深田久弥に全力で共感する。

ちなみに私が今一番好きな山は磐梯山である。

来週は、たぶん岩手山が一番好きと言っているはず。

「みんなで登ろう!!日本百名山スペシャル」の中で、ほぼ登山経験がないというアナウンサーの女性が北アルプス常念岳に登っていた。

おぼつかない足取りながらも、沢を渡り雪渓を乗り越え、頂上からのご来光に涙していた。


「この景色見ちゃうと、キツかったこと全部忘れるよね。」


これである。

山をやるひとは、山の景色と空気に、心臓のど真ん中を揺さぶられて掴まれて、持ってかれるのだ。

ここにたどり着くために生きてきたのだ、とさえ思ってしまう。


山に何度も登る人は、高いところに魂を置いてきてしまうのだと思う。


だから、何度も自分の魂に逢いに、山に登るのだ。


常念岳に登った女性アナウンサーも、魂を持ってかれただろうか。

百の頂に、百の喜びあり。

今年も山の日が来た。

今年も、来年も、ずっと山のてっぺんに喜びがあふれますように。


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