片耳難聴の詩:西に咲く花
西の方に咲くというその花
なんとなく昔に見たことがあるような
聞こえた言葉をわざと組み立てる
気配に振り向く
聞こえることは見ないこと
少しだけ辛くなる
耳を塞いで覆ってしまう
西の方に流れる雲に見る
なんとなく気がそぞろになるような
聞こえない言葉を少しぼやかす
消えた気配を探す
聞こえないことは見ること
少しだけ嬉しくなる
耳を塞いで覆ってしまう
西の方に歩いて行く誰かの姿
なんとなく明日には忘れているような
言葉が見えてきて離れていく
気配を感じて波打つ
音の感触を