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(21) MECEの作成①経営フレームワーク

MECEに考えることにより、大事な要素を見逃す「モレ」を防ぎ、同じことを考える「ムダ」を排除できます。はじめはなかなか難しいかしれませんが、地頭(じあたま)がなくても地道(じみち)にやればMECEは作れるようになります。その方法を紹介していきます。今回はフレームワークの利用です。

フレームワークとは、簡単に言ってしまうと「考える枠組み」です。経営のフレームワークとしては、3C【Customer(市場)、Competitor(競合)、Company(自社)】や4P【Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)】などが有名です。これらは、過去の研究や分析などから、こういう場面ではこういう視点で考えた方が良いですよ、という枠組みを提示してくれるものです。場面に応じたフレームワークを知っていれば、早く的確に考えることができます。その確認のために、次の設問の結論部分(太字)が正しいかどうかを考えてください。

・商品Xについて、A店では良く売れているが、B店ではまったく売れていない。
・販売価格は、A店では150円だが、B店では100円であった。
・ゆえに、B店で商品Xが売れない原因は、価格が安いことである。

この結論に違和感を感じたはずです。まずは、情報を整理しましょう。わかっているのは、商品XとA店、B店の販売価格です。書き表すと次のようになります。

           A店    B店
商品(Product): X    X
価格(Price)   :150円  100円

商品、価格のそれぞれにわざとらしくPをつけましたので、あと2つのPで考えるのだろうと想像がつくかもしれません。続けるとこうなります。

               A店   B店
商品(Product)     : X    X
価格(Price)       :150円  100円
立地/陳列(Place)   : ?     ?
広報/販促(Promotion): ?     ?

このようにマーケティングの4Pで整理すると、PlaceとPromotionの要素がモレていることがわかります。これら二つのPで考えると、たとえば、B店は人っ子一人いない秘境の地で営業しているからかもしれないし(Place)、A店ではアイドルの握手券がつくような超積極的な販売促進(Promotion)をしていたかもしれません。どうやら価格だけが問題とは言い切れないようです。

フレームワークを知っていれば、「一瞬」で「何を」考えれば良いかわかりますが、知らなければウンウン唸った上に違う方向に行ってしまうかもしれません。フレームワークは、先人が作ってくれたありがたい枠組みです。知っていれば論点がモレることが少なくなり、何より考えるスピードが格段に上がります。知らないと損ですし、使わないともったいない知識なのです。

MBAで学ぶことは、これらのフレームワークを習得することでもあります。最近は、経営フレームワーク集の書籍も増えてきていますから、ご自身がどの程度知っているか、どこまで理解できているかをチェックしても良いでしょう。フレームワークを使いこなすことが、MECEの第一歩と考えてください。

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池田吉成(いけだよしなり)

RBS(立命館大学ビジネススクール)講師「論理的思考とプレゼンテーション」担当。 経営コンサルタント、企業再生の現場を経て、現在は千里リハビリテーション病院 統括事務長。
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