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698. 2024年3月7日 NEJM Journal Watch 2本

1. Using Fecal Microbiota–Based Therapies

Peery AF et al. AGA clinical practice guideline on fecal microbiota–based therapies for select gastrointestinal diseases. Gastroenterology 2024 Mar; 166:409.

米国消化器病学会の微生物を利用した治療のガイドライン。

  1. 標準治療の抗生物質療法(例、バンコマイシン、フィダキソマイシン)終了後にC. difficileの2回目の再発(3回目のエピソード)を起こした免疫不全および軽度または中等度の免疫不全成人における再発予防に条件付き推奨。

  2. 抗生剤治療が奏効しない重症または劇症のC. difficile感染症で入院中の成人(ただし腸閉塞や穿孔のある人、重度の免疫不全のある人は除く)に条件付き推奨。

  3. 重度の免疫不全患者においてC. difficileの再発予防にFMTを使用しないことを推奨。

  4. IBDまたはIBS患者の治療にFMTを使用しないことを推奨。

このガイドラインには、C. difficile感染の診断、FMT材料の種類と供給源、および投与方法に関する推奨も含まれている。

2. Misclassifying Sepsis in the ICU

Lengquist M et al. Sepsis mimics among presumed sepsis patients at intensive care admission: A retrospective observational study. Infection 2024 Jan 27

2015年から2018年にかけて4つのICUで実施された後ろ向き観察研究。8360例のICU入院患者のうち、2664例がsepsis 3.0の診断基準を満たした。培養陰性であった1122例に最新の感染基準を適用したところ、656例(25%)が最終的に敗血症様症状と診断された。異なる感染基準を用いた感度分析により、敗血症様症状は14%~29%であった。死亡率は、敗血症と敗血症様症状との間に差はなかったが、前者で重症度がわずかに高かった。プロカルシトニンとCRPの値は、両群間でわずかな識別力を示したのみであった。

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