Curtin M, Thompson LA. What Is Parent-Child Interactive Therapy? JAMA Pediatr. Published online February 27, 2023. doi:10.1001/jamapediatrics.2022.5930

患者用ページより。

親子相互作用療法（PCIT）は、子どもを預かる人が、子どもの感情の変化や行動に対処できるようデザインされた行動療法の一種。PCITは、指示に従わない、協力しない、衝動的、規則を破る、言い返す、わざと他人を困らせる、唾を吐く、かんしゃくやメルトダウンを起こすなどの破壊的行動に取り組むための最良の治療法である。

PCITは、破壊的な行動に悩んでいる2歳から7歳の子ども、注意欠陥・多動性障害（ADHD）、またはADHDに準じた症状を持つ子どもに最適である。また、家庭での生活が困難な子どもの行動や、外出や人前での行動が制限されるような子どもの行動に対処している家庭にも有効。親や介護者は、自分の行動を落ち着かせるスキルを学び、叩くなど、有害な行為を避けることができる。PCITは、精神的な障害を持つっているが、まだ問題を起こしていない子どもにも効果がある。

PCITでは、「バグ・イン・ザ・イヤーシステム」と呼ばれるものを使用する。これは、別室でセッションを見ているセラピストが、Bluetoothヘッドホンのようなイヤホンを通して、ケアマネジャーにスキルの使い方や新しいアプローチへの挑戦、制限の設定などをリアルタイムでコーチするものである。PCITの治療には、2つのパートがあり、1つ目は、子どもたちと保護者の関係をより良いものにするもの。子どもは大人とポジティブな体験をすることで、成長する。褒められるなどで肯定的に強化された子どもは、家族が望む行動を増やすことができる。2つ目は、チャレンジングな行動でより直接的に働きかけ、子どもたちが聞く力を高め、より多くのタスクをこなせるようにする。この段階では、PCITは保護者が効果的な時間制限を使えるようにすることも支援する。このパートでは、一貫した結果の出し方を学ぶ。

PCITは1時間に平均12～20回のセッションが必要で、家族はPCITのスキルをすべて使えるようになったら終了する。PCITは少なくとも3ヶ月はかかり、セッションの合間に練習用の宿題をこなさなければ、上達は望めない。努力は必要なものの、セラピーは永遠に続くわけではなく、親子はもっと幸せに暮らせるようになる。