「小説家になろう」原作マンガ感想(その31~40)

〇その31 「即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが」
×その32 私能力は平均値でって言ったよね?
〇その33 異世界薬局
〇その34 聖女の魔力は万能です
△その35 「今まで一度も女扱いされたことがない女騎士を女扱いするマンガ」
△その36 アルゲートオンライン
△その37 くまクマ熊ベアー
〇その38 生き残り錬金術師は町で静かに暮らしたい
△その39 人喰いダンジョンへようこそ
〇その40 齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定~やだこの生贄、人の話を聞いてくれない~

その31 「即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが」

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このアニメは女の子の可愛さをお楽しみ頂くため邪魔にならない程度の差し障りのない会話をお楽しみいただくアニメです(じょしらく)
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タイトルだけだとわかりにくいと思いますが、この作品もそういう作品です。そしてこの目的において、納都花丸さんがコミカライズ担当というのはもうそれだけで勝利が約束されているようなものです。

[http://comic-earthstar.jp/detail/sokushicheat/:embed]

サムネを見て、女の子かわいいなと思ったらとりあえず読んでみてください。

*コミックアーススターの「なろう原作」のコミカライズはいいぞ。
コミックアーススターの「なろう原作」のコミカライズは安心して読めるのでとても好きです。

私は「なろう原作」コミカライズものを結構たくさん読んでますが、コミックアーススターさんのところは安心感が強いです。

(原作者さんには失礼だけど)この出版社が版権を獲得している「なろう系」は、原作がなろうにおいてものすごい人気作、というわけじゃないです。にも関わらず、作品にあった実力のある漫画家さんをつけて、ちゃんと面白くしようと工夫してくれているのがわかる。

こういうの、本当にうれしいです。

*コミカライズを担当されている「納都花丸」さんはもっと評価されるべき

にしても納都花丸さんだと!

私は納都花丸さんの絵がめっちゃ好きです。ストーリーも長編をしっかり作り込む実力がある方で、「蒼海訣戰」「蒼海訣戰・改」はとても面白かった皆さんにもお勧め。((媒体が休刊したため途中で連載終了してしまったのが本当に残念です。どこかで連載再開は無理でしょうか・・・?))

いつかこの人はもっと評価されてほしい。そんな作家さん。

そんな納都花丸さんがコミカライズしているというだけでもう自分の中でポイントめっちゃ高いです。

*きわめてシンプルに「チート」を描いた作品でテンポがよい
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成長チート? 無限の魔力? 全属性使用可能? そんなもの即死能力で一撃ですが?本当に最強なら、戦いにすらならない! 全ての敵が即死する、超お気楽異世界召喚コメディ!
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いきなり異世界に召還されました。召還された世界は弱肉強食なのでサツバツとした世界。世知辛く、嫌な人間も多く、敵もめちゃくちゃ強いです。でも主人公の能力が「絶対に効くザキ」なのでどんな敵でも一発で倒せるのでサクサク進みます。そんなお話。

多くの作品が、似たような能力をちょっとだけ説明を変えることで使いまわしながら、差別化と洗練をはかっています。そういう動きは、作り手としては名作が生まれる土壌としてとても価値があると思うのですが、読む側としては「似たようなのが多くてどれ読んだらいいんや・・・」ってちょっと悩ましいですよね。

その点この作品はきわめてシンプルにそしてわかりやすく振り切れています。「どれだけ相手が強かろうが絶対に相手を死なせる」という最強の矛です。別作品ですが「どんな攻撃でも絶対に守る」能力を持つ「マサツグさま」とぜひ対決させてみたい所ですね。

*この作品はかわいいヒロインを守りながら旅をするところがメイン

「いやいやそんな設定なんて興味ないよ」「チートってだけで読む気なくすわ・・・」と敬遠しがちな人。気持ちはわかるけどちょっと待って!

もちろん、この設定だけだとすぐ飽きてしまいます。そもそも「ワンパンマン」と違っていちど攻撃を向けたら「殺してしまう」というのがネック。軽はずみにどんどん人を殺すのはまずいですよね。実際、主人公は感情が希薄であり、不要な殺生はしないものの、必要とあれば他人を殺すことに全然躊躇しない性格なので非常に危険です。

でもこの作品のメインはそこじゃないから。主人公をこの能力を使って無双するのはあくまでおまけだから。

あくまでメインは、話の冒頭でペアを組むことになった「普通の女の子」を守りながら旅をする、という部分にあります。

そして、この女の子はトニカクカワイイです。

メインヒロインの女の子に魅力が無かったらあまり価値が無い作品ですが、この女の子はかわいいのです。主人公と違って喜怒哀楽がわかりやすく、脅威にはおびえ、悪に憤り、困った人は助けようするなどメリハリがきいていてみていて楽しい。彼女が主人公をリードしながら話を引っ張っていきます。二人の関係性については、イメージとして「氷菓」のほーたろーくんとえるたそを思い浮かべてくれたら良いと思います。このかわいい女の子を、さらに「納都花丸」が最大限かわいく描いているので、これはもうすばらしいとしか言いようがないわけですよ。わかりますか?(ここオタク特有のすごい早口)

というわけで、表紙を見て、女の子かわいいなーと思ったらとりあえず読むべし読むべし。「女の子のかわいさがメイン」とは言ったけど、ストーリーも結構良くできてて面白いですよ。

もちろん理想を言えばきりは無いです。「マグダラで眠れ」みたいな作品と比べたら見劣りはしますが、でも全てにおいて劣っているわけではなく、「女の子のかわいさを楽しむ」という目的においては、この作品のとにかくシンプルでテンポが良いという点は大きな武器になります。

ぜひ読んでみてください。

その32 「私、能力は平均値でって言ったよね?」
https://comic-earthstar.jp/detail/noukin/
「ポーション頼みで生き延びます」と同じ作家のFUNAさんが原作。

いきなりテノヒラクルーしちゃいますけど、コミックアーススターでも駄目なコミカライズありましたね・・・。というか、たぶんこれ原作がどうしようもない感じ。

どういう話かというと転生するときに、平凡にいきたいから全ての能力値を平均値にしてねって頼んだら、「すべての能力」が世界最強クラスと最弱の平均で、世界最強クラスというのは人類じゃなくて神クラスも含むということで潜在能力は人類最強クラスになっちゃったという話。

つまり「全パラメーターでチート」という設定。ちなみに、当初の平凡に生きたいみたいな設定はあんまり重要じゃないのでこのタイトルもあんまり意味がない。

一応自分だけが無双するんじゃなくて、周りの友人たちを鍛えて活躍させるという形になっている。そういう意味では「賢者の孫」みたいな作品。どっちが先かしらんけどね。

FUNAさん作品の中ではダントツで面白くないので、多分これが一番最初でここからいろいろ洗練していったものと思われる。なにより、コミカライズの人の能力の問題なのか、1冊あたりの密度が低く、かつ絵もどんどんひどくなっていってる。というわけであんまり読む価値なし。

その33 異世界薬局
https://comic-flapper.com/product/yakkyoku/
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_MF00000031010000_68/

知識チートもの。作者さんが実際に薬剤師であり、かつコミカライズ担当の人もしっかり査読を付けたり調べたりして頑張って作られてる感じがするのでとても良い。

主人公はもともと現代の薬学者(というかバイオ研究者)。魔法の力なんかよりも、普通に化学的な知識が武器。そのうえで当時の器具ではいろいろと化合物を作ることはできないから、「貴族専門の薬師の息子」でかつチート能力持ち(診眼とか魔力とか物質の創出・消去)ができることになっている。

あるときに皇帝陛下の肺結核を治療したことで国の後ろ盾を得て帝都に自分の薬局を作ることになり、そこからは薬局経営ものに移行していく感じかな。

あれだな。イオン公国とかサンドラッグレベル。「万人のための薬局」というコンセプトだけど要するに今まであった街の薬局と客の食い合いをするってことでも有るよね。

<異世界サンドラッグの躍進>
まず化粧品で爆買いが発生。それを受けて侯爵家から増資の受け入れ。出産で引退した女薬師を雇用して女性進出を促進。産休・育休制度も完備。

という感じできっちりわかってる人が書いてるので安心感ある。物語として面白いかというと「普通・・・」って感じだけど、その普通があるだけでも十分でしょう。(ハードル低)

その34 聖女の魔力は万能です
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_FL00000002010000_68/ (フロースコミック)
女性向け異世界もの原作に特化したレーベル。

主人公は20代OL。いきなり召喚されるも、本命は自分ではなかったので元の世界に帰れないまま放置される。暇だし将来が不安なので、薬用植物研究所の研究員になる。回復魔法の使い手というよりはエンチャンターなんだよね彼女は。まぁどっちかというと、絵が可愛いのとちゃんと恋愛っぽい子としてるのが良い。

その35 「今まで一度も女扱いされたことがない女騎士を女扱いするマンガ」
http://shonen-sirius.com/series/w_sirius/onnakishi/
なろう原作じゃないけど。
どうもこの作者さんはそういう性癖みたいですね。この作品の前にも「好きになった女の子が実は悪魔でしたが、そんなの関係なくあなたが好きだ!」って攻めていく作品を書いてる。
とにかく容姿とか種族とか地位とかなんとかすべて取り払ってこの人が好きだ!っていう気持ちを伝えるのが好きみたい。でも、主人公の腹筋好きとか妹好きとか、誰にでも優しい、みたいな要素がなんか微妙に邪魔くさい。

読み切りのほうは「この人だけが好き」ってのが伝わってよかったんだけど、こっちの作品は、男側が好青年であることや女騎士さん好きって要素はプラスかもしれないけど個人的にはなんかぼやけて見える。

その36 アルゲートオンライン
多分これなろう初期作品だな。ベタベタ。
ただし、ゲームそのもののリプレイみたいな作品であるがゆえに完成度は高い。
ただ、チームバトルについて、結局主人公無双になってしまうところはゲームなら興ざめだろう。

まぁこの上なくまっすぐ素直な俺TUEEEということで。
エルフのアネッテが加入してからは、
ホンマにさらにベタベタな感じが加速しててほんとにいいわ~。
何一つ目新しい要素がないのが逆に安心感ある

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