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もう2度と、会えないかもしれない人たちの話


明日会えばいいや、
明日話せばいいや、

来月会えば、来年会えば、、

そんな風に思っていたら、
その日のうちに もう2度と会えなくなってしまう人達がいる。


私の大切な人は、事故に遭い、死んでしまった。
もう1人の大切な人も、癌が発覚して4か月で、亡くなってしまった。

いつもの、あの場所、いつもの、あの時間。
いつものあの人。

今、いるんじゃないかな?

亡くなった今も、会いたくなった時に、ふとそんなイメージが頭をよぎってしまう。

でも、今行っても、明日行っても、来年行っても、そこにはもう、いることはない。

もう、私の世界に帰ってくることはない。

なんで、あの人がいなくて、こんなに悲しいのか?

別に大好きだった訳じゃなかった。
時より、「野暮ったい」と思ったり、「面倒だ」と思って、怪訝そうな態度を取ってきたりもした。
突き放されても、嫌われても、見放されても、仕方ないこともした。自分に余裕がないから、見下したりもしてしまった。

でも、そんな態度を含めて、その人たちは私に、優しく、あたたかく、理解を示してくれた。


「だって、今はそうゆう時代じゃない。君が抱えきれないから、そんな態度になってしまうのは、わかるよ。」

「今、君は余裕がないから、僕にそんな態度をとってしまうんだね。でも、君の未来は輝いている。だから、心配しないで。僕が出来るだけのことはする。いつも味方でいるよ。」

「君は頑張っている。きっと、ますます自分の思い通りになるよ。いまの僕を追い越す人になるよ。」

「君は充分にまだ、大人じゃない。だから、そんな風な態度を取ってしまっているのを知っているよ。でも、大丈夫。いつか分かる時がくるから。安心していいんだよ。」

その人たちが、
そう思ってることが、態度で伝わっていた。


安い言葉なんて使わなかった。
上部の言葉も使わなかった。

ただ、“ほんとの気持ち”と“あたたかい気持ち”とを、いつも無償で与え続けてくれた。

あの人たちが、私の世界にいた時、そのことに注意を払っていなかった。
空気のように当たり前に感じていた。 

あと、10年は、20年は、、、まだ会えているはず。

まだまだ、時間はたっぷりある。
恩返しはその時に。
もっと、ちゃんとしたカタチで。


ずっと、そう思っていた。
また、今度ね!


「また今度」

もう、「今度」なんてなかった。 

そして、何年経っても、恩返し出来なかったことを、いつも後悔している。


「生きること」は、忙しい。

仕事をして、学び、寝て、ご飯も食べる。

未来の自分の為になることも、しければいけない。

親しい友達とも会いたい。
好きな人にも会いたい。
ネットワークも広げたい。

そして、フラストレーションがたまったら、リラックスする時間を優先する。

“やらなきゃならないこと”をする。

そんな風にして、自分の生活と、未来の自分の為の時間で、人生の大半が埋まっていく。


本当に大切な人は、いなくなって初めて、「自分の中で大切だったんだ」と気付かされる。


いつも優しく包み込んでくれた人
疑わず信じ続けてくれた人
自分を削ってまで、大切にしてくれていた人
自分をぶつけてくる事はない
常に相手がどう思うかを先に考え、行動している


「大切な人」は、無口だ。
デコレーションのような派手な言い回しや、言葉は使わない。

ただただ、態度で伝えてくれる。


ひたすらに、チャンスを与えてくれた人
利用したい なんて全く思ってなかった人
いつも、無償の愛を与えてくれた人
存在を否定をすることも絶対にしない


そんな人が、自分の世界から突然消えてしまう。

“死ぬ前に、人間は走馬灯を見る”と、聞いたことがある。

それはきっと、今まで貯金したお金でも、成し遂げた仕事でもない。


出会ってきた人との日々、だと思う。


もし、無人島にいたら、世界に自分しかいなかったら、お金や仕事をいまのように捉えているだろうか?

人がいなければ、そんな風には捉えてはないはずだ。

自分以外の人がいるからこそ、お金や仕事の概念がある。人間は孤独では生きる意味がない。



私は、いつ死ぬのだろう?

その時に見る、走馬灯は、なんなんだろう?

今、私の世界にいる大切な人は誰だろう?

その人が、私の世界から居なくなったとしたら、何を今「しなかったこと」を後悔するだろう?


“人生で忘れてはいけない、大切なこと”

それはとてもシンプルで、
「本当に大切な人」を見極め、「しなかったこと」を後悔しないことなのかもしれない。

もう「今度」は、無いかもしれないから。


あとがき
私は父を14歳の時に事故が原因で亡くしました。私に無償で漆芸という、伝統工芸を教えてくれた師匠も、癌が原因で亡くなりました。
ふと、ある人のnoteを見て、そのことを思い出し、1時間で綴った内容をまとめました。
最後までご覧下さり、ありがとうございました。




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