自分の感受性くらい

緊急事態がどうなるとか、
お花見がどうなるとか、
オリンピックがどうなるとか、

ひとのきめることに
揺れ動く心をもてあまして
じっと渚にたたずむと
いつもと変わらぬ
波の穏やかさに
ふと我にかえります

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのは
どちらなのか

苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが 
ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ

(茨木のり子「自分の感受性ぐらい」)

ばかもの、になっていた自分に気づく春の夕暮れです。

ドビュッシーで和んでね♪

Music: 月の光、ドビュッシー
Piano: Shonangirl
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