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1人1人の心に物語のある「夢」を描かせるアートマネジメント似顔絵師“東秀葛 絵青”さん

中学2年生の時の担任だった美術の先生が、授業中に見せたキラキラした横顔。「横顔を描いている先生の横顔」その顔があまりにもキラキラしてたのを見て、「絵描きになる!」と決めた絵青さん。
その時のキラメキのような情熱が、今も続いていらっしゃる絵青さんに、心に描く「夢」について、お話を伺ってきました。

〜東秀葛 絵青さんプロフィール〜
●出身地 愛知県
●活動地 大阪を拠点に日本全国、フランス、サウジアラビア等
●経歴 1991年〜 プロ似顔絵師デビュー・「24時間テレビ愛は地球を救う」チャリティー似顔絵参加/1998年〜 お絵かき隊結成 (初代隊長)・心の相談員(愛知県小牧中学校)/2008年〜 時代劇団舞台美術 入団 俳優デビュー・JRA騎手キャラクターデザイン ・アートマネージメント セミナー開催/2011年〜 結婚披露宴にて全員似顔絵(実施1000組)・デイリースポーツコラム≪松とら屋本舗≫イラスト連載8年経過、現在継続中/2014年〜 バンタンアカデミー 講師・アートマネジメント、アートマインド担当<人気No.1講師としてランキング>/2015年〜 代々木アニメーション デッサン講師
●現在の活動 2018年〜 アトリエAMoie 代表<似顔絵制作名簿 19万人達成、記録更新中>現在、似顔絵を中心に、イラスト連載、専門学校講師、タレント(似顔絵漫談、早書き日本一)、クリエイターアーティスト(青い海と青い空をテーマに作品製作中)など、活躍中。

いい訳じゃなく、「カッコイイ選択」をする

記者:今日はよろしくお願いします。絵青さんは、似顔絵を中心にあらゆる表現者として活躍されていらっしゃいますが、どんな心の在り方や認識の変化が今の活躍に繋がっていますか?

東秀葛絵青さん(以下絵青):僕自身がアスペルガー障害なんですね。机の上に登って奇声をあげるようなタイプの子供だったんですけど、結果、それがすごく良かったというのかな。自分の能力に気づくことができたんですよ。
僕の場合は、「短期的な記憶を具現化する」っていうところで、「絵の才能として、見たものをそのまま描ける」それが似顔絵に繋がっていくというか、似顔絵がそれに繋がったのかもしれないですけどね。

その代わり、掃除するのがすごい苦手というか、わがままだったりというのもありました。絵を描いてる時、集中していると「うん、わかった!」って生返事するんですよね。そうすると、ほんの小さな嘘なんですが、積み重なっていくことで、人間関係がだんだん信頼をなくしていく...ということを、結構若いころから経験しました。

そこで「嘘をついてる自分」に気づくことができたんですね。
大好きなはずの絵を言い訳に使っている自分がいました。

「あの絵を描かないといけないから、●●はしない…」って言い訳じゃないですか。そうじゃなくて、「●●も、▲▲もしているのは、この絵を描くため」の方が、カッコイイ!

それが「カッコイイ選択をする」という、今も意識している、日々の選択基準にも繋がっています。楽をするためだけにその嘘をつく。ただ無自覚に。それを気づけたことが、自分の心の変化、成長に一番大きな部分です。

記者:無自覚…そうですよね。悪気はないですもんね。
そこに気づいてからは、自分の好きなことをやるだけじゃなくて、周りの人との関係も広がっていったんですか?

絵青:必要最小限ですかね。“無意識のマルチタスク”という考え方を意識しています。自分が起きてる時にできることは、当然、限られているんですよね。1日の中で絵を描く以外の時間ももちろんあります。
それを、うまく自分のエネルギー量を調整して、「こういうことやりたいんだ!」「こういうことやってるんだ!」って人に伝えることで、そこから先、無意識が働いてくれることで、実現できるような感じです。

例えば、原作を書く人がいて、それを僕が絵に起こし、それを動画にしようって話が来ていたんですけど、これは、僕が寝てる間にも、原作を書いてくれる人がいるし、動画を制作してくれる人がいるので、これ、“無意識のマルチタスク”ってことなんですね。
人に託す。信頼関係によって、伝えることによって、“無意識のマルチタスク”が可能になります。

学校の生徒であれば、例えば宿題として「自分が怒れることいくつあるかな?」「じゃあ、お家の人にも書いてもらおうよ」って感じで、キャッチボールさせるように伝えておく。
僕は学校が終わった瞬間、シャッター閉じるんですよ、バシャンって。もう学校のことは、できるだけ考えないようにするんですね。でも、無意識のマルチタスクは動いているので、150人の生徒がそれぞれ動いているってことですよね。

これを次の日学校に来た時には、先生になって「じゃあ、これどうなっていると思う?」と投げかけて、みんなの無意識場の集約と、「これってこういうことだよね」って一点に集めることで、すごいエネルギーが動くわけですよね。「そういうことだったのか!」って。みんなが「なるほど!」ってなったら、僕の勝ちなわけですよね(笑)

おそらく要約するところっていうのは、抽象度の高いところでの問題点の解決という、意外に単純なことだったりするんで、そこの調整の技術が身についたっていうのが大きいですね。

イメージ空間からの情報受信は、人間にしかできない感覚

記者:わぁ〜絵青先生の世界観が次々ストーリー展開されて、私の頭にイメージされていって面白いです。“無意識のマルチタスク”を活用されている絵青先生ですが、これからのAIが益々活躍していくと言われている時代に、必要とされるニーズは何だと思いますか?

絵青:AIを使うと、スマホで1人1人の手の中に、クラウド化された世界統一するくらいの膨大な情報から、情報を引き寄せてくると思うんですけど、これによって退化してしまう人間の感覚って結構あると思うんですよね。それがいわゆる心の部分。マインド。
特にアーティスティックなこと、クリエイティブなことをしていこうと思うのであれば、それはAIでは引っ張り出せないですね。

人間の感覚である、イメージ空間からの情報を引っ張り出してくる。このイメージ空間にあるものが、コンピューターでは、すくい上げることができない、それくらいの情報量がおそらく、過去と未来にあるエネルギー量の格差なわけですね。人間の感覚じゃないと呼び起こせない。

人間が受信機になって、受信したものを自分の指先から出力する。その原点が、僕たちであれば、絵を描くことだろうし、小説とか、ダンスとか、歌を歌って表現するのもそうだと思います。
やっぱり人間本来の感動、5感を揺り動かすっていうことは、肉体がないとできないことなんですよ。人が人であるというところがAIでは代用できないニーズかな。そういったところを伝えていきたいなと思います。

記者:1人1人が受信機になって表現していく技術が、これから必要ということですね?

絵青:そうですね。ただ、時代とともに変化は必要で、今、学校の授業やっているのも、1人のスーパースターを作るよりは、みんなで協力して、1つの作品を仕上げるっていうことを、結構大事にするんですね。

例えば、6人ぐらいのチームになって商品開発のロープレをして、完成の記念に慰安旅行に行くんですね。船旅で小笠原諸島までみんなで行こう!って、小笠原諸島までどうやったらいけるか考えてみてっていうと、すぐにみんな調べて、「ああめっちゃ遠いんですね、東京都なのに、300km以上あるんですね」とか言って、「じゃあ船旅出発ー!」ってロープレさせるんですけど、結果として、船沈めてやるんですよ。(笑)

それで亜熱帯の無人島に打ち上げられて助かる。そこから島の状況をどう把握して、助かるためには、何をすることが必要なのか、今、どういう行動をするべきなのかを考えさせる。

そんな感じのロープレをしながら、1週間後に助かるんですけど、そこで助かった時に、
「考えてみて!日本中のテレビ局とか、雑誌社とか、新聞会社とか、取材にきてるでしょ!?その瞬間に自社商品の宣伝できたらどんなことになる!?」
「じゃあ今、準備できている?LINEスタンプとかできている子いる?」

こんな風に妄想旅行から、リアルな自分のアートマネジメントに繋がっていく流れを作っています。

記者:妄想のイメージ空間、意識空間と、現実空間とを行ったり来たりするような、発想の柔らかさが必要ということですね。面白いです!
授業のプログラムを一部分ご紹介頂きましたが、教育現場でも、1人1人の能力や技術を磨くことと同時に、チームプレイの大切さを学ぶようにさせているんですね。
社会では思わぬ出来事、トラブルなど問題が日々起こる中で、いかにチームプレイで解決していくのか、ということもこれからの時代に必要な能力ですよね。

イメージ空間を使うクリエイター、アーティストになる心の豊かさ

記者:イメージ空間を開拓してきた絵青先生が今後、どんな美しい時代を創っていきたいと思っていらっしゃいますか?

絵青:美しい時代かぁ…ま、でも言っちゃえば、争いごとって要らないんですよね。怒りの感情というのは、ちょっと余分かな。もちろん怒りは「よーしやってやるぞ!」というエネルギーではあるけど、どうだろう。
戦争のない世界というのが理想ではあるんですよね。

物質にこだわりを持つと、物の取り合いだから、エネルギー量でいうと有限なんですよ。そうじゃなくて、もっともっと無限に手に入るイメージ空間を使っていく。過去であるとか、未来とか、物質じゃないものって無限に手に入るわけで、その心の豊かさっていうのを、具現化していくことができるような、クリエイター、アーティストっていう存在の価値。
日本の漫画文化ってすごいと思うんですよ!

満たされた時代であればあるほど、心の豊かさっていうのが大切かな。
心がきれいであることはすごく大切かなという気がしてます。
そこに気づく。みんな知ってるはずなんですよね。でもなんか忘れてたりとか、つい自分の楽な方に動いてしまうっていう癖があるので、そこに一言ででも、気づかせてあげられるような、そんな言葉の力が身についたらいいなと思っています。そういう意味で、美しい言葉やイメージを、大切にしていきたいと思っています。

記者:ストーリーの含まれている言葉やイメージは、人に気づかせるパワーがありますよね。そんな美しい言葉やイメージに溢れる社会、素敵です。

では、最後の質問になりますが、ずっとお話を聞いていて、絵青さんが「伝える」っていうことを、大事にされているというか、強い想いを感じたのですが、一番伝えたいメッセージ1つだけと言ったら、何を一番伝えたいですか?

絵青:「夢を見つけよう」一言で言うのであれば。
紙と鉛筆を置いた状態で、みんなの心に共通して、描かせたいものって何かって考えると、やっぱり「夢」っていうキーワード。ただその単語一言ではあるんだけど、そこにどういう物語があるのかっていうのを描かせてあげたいなって思う。

僕の夢じゃなくて、みんなの持つ本来の夢。
本当に叶えたい夢がなんなのかっていうね。それを想像させられるような、豊かな心づくりがテーマじゃないかな。
質問されて確信しました。それですね!

記者:夢に溢れた絵青さんのお話、とてもワクワクしました!
本日はお話伺わせて頂きまして、どうもありがとうございました。

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40代の夢である「学校の先生になる」ことを実現されて、50代、60代と夢を描き続けている絵青さん。夢を実現するために、日々「カッコイイ選択をする」ことを実践され、実践したことをネタに、人に伝えて気づかせていく。
そんな大人が溢れる社会であれば、子供が憧れる大人が生まれ、子供たちももっと夢を描いていけると思いました。

絵青さんリンク
Twitter:https://twitter.com/kaisei2011
facebook:https://www.facebook.com/kaisei2011

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36

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