チャットノベルはもうかるのか? 3 コンテストはもうかる?


さて、従来の小説でもうける、となるとまず思い浮かぶのはコンテストに応募して賞金を稼ぐだろう。
企業が業務として従業員に小説コンテストに投稿してもらう、というケースはほぼ考えられないので今回は個人でもうかるかどうかを書く。
小説の場合、他のコンテストと違うのは賞金以外に単行本化されてさらに収入が得られる可能性があることだ(マンガも似ているがいきなり単行本のケースはほぼない)。
例として講談社の第14回小説現代長編新人賞を挙げる。下記サイトにあるように賞金300万円+単行本化で著作権使用料をもらえるとなっている。
http://shousetsu-gendai.kodansha.co.jp/special/prize_entry14.html

ではチャットノベルにもコンテストはあるのか、といえばある。

終了済みだがBalloonが昨日受賞者を発表したチャット小説大賞があった(今年3月31日締切)。
★詳細URL
https://balloon.chatfiction.me/events/chat-story-awards/

これは大賞1作には賞金100万円+メディア化、優秀賞2作には賞金30万円となっている。

注意すべき点として、受賞者は、応募作品が受賞した時点(受賞者と当社との間で、受賞に伴う書類提出等のお手続きが完了した時点)で、当社に対し、受賞作品の利用(書籍化、電子書籍化、コミック化、アニメ化、実写映像化、ゲーム化、商品化、デジタル商品化等、受賞作品を翻訳・翻案・複製等したうえ利用することをいい、当該利用を第三者に再許諾すること等を含みます。以下同じ)を独占的に許諾することにつき、予めご承諾いただくものとします。
期間が書いていないので無制限に独占権を、ということだろう。
また、Balloonのチャットノベルは表紙画像や小説内に画像が設定できるのだが、設定した場合、この画像製作者も著作者に該当するかどうかは書かれていない。
これは追って確認するが、チャットノベルは既存の小説と違って画像等が投稿段階で使用できるのでこうした著作物の区分に関しては厳密に調べたほうがいい。
このコンテストはすでに終了したが、Balloonが今後も継続してコンテスト開催する可能性があるので注目だろう。

またNOVEL DAYS上でeru KIKAKUが行う日本チャットノベル大賞がある。
★詳細URL
https://www.eru-kikaku.jp/nihon-chatnovel-award/

こちらは大賞作品は電子書籍化を確約し、副賞としてクライマックスシーンのボイスドラマ化を予定とある。
投稿ボリュームは「概ね3万文字~5万文字程度。1ページ単位の画像で投稿する場合は100~300ページ程度。」とある。画像での投稿も念頭に置かれている。

なおこちらは大賞を受賞した作品につきましては、「作者様とeru KIKAKU で契約内容のご相談をさせて頂きます。」とある。要は印税や著作物使用料は後ほど相談して決める、という話である。
NOVEL DAYSも表紙と作中画像使用ができるうえにアイコン画像も設定可能、さらにYoutubeを使って作中に動画も設定できるが、これも著作者が複数いる場合はどうなるのか、など確認したほうがいいだろう。

さらにNOVEL DAYSでは超短編コンテストというのを開催している。
こちらは数回すでに行われていて、本記事掲載時には「お題:女優で当て書き!」として女優の木村なつみさんをテーマにした小説を募集している。
入賞者には賞状と1万円となっている。
少し安く感じるが、2000~5000字なので上記の日本チャットノベル大賞よりはかなりライト。
また上記2賞と比べると独占権やらなんやらが全く設定されていないので再利用も容易だ(もちろんそのまま使うと木村なつみさんへの承諾等は必要だろうが)
★詳細URL
https://novel.daysneo.com/award/ategaki.html


チャットノベルのコンテストは今後盛り上がると思われる。
書くだけなら自身のPCなりスマホなりを使えばコストはあまりかからない(バッテリー代等はかかってしまうが)。
まずチャットノベルでもうけたいと思う個人の方は上記の賞に応募してみてはどうか。

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