古代遺跡に触れるような感覚「FF1ピクセルリマスター」クリアしました。

 表題の通りクリアしてきました初代「ファイナルファンタジー」。

 時勢的にはもう後の対抗馬にしてパートナーの「ドラクエ」がガッツンガッツン台頭してきていて、当時のスクウェアは「コレがヒットしなかったらもう弊社はおしまいじゃー!」みたいなノリで「ファイナル」の名を冠させた……なんてのは有名な話。
 因みに売上的にドラクエと双璧を成す程までに成長したのは4とか5の頃らしく、それまでは──もちろんJRPGとしては抜きん出た存在ではあったものの──ドラクエの後塵を拝する立ち位置にあったんだとか。


 まぁ、まぁ。
 そんなJRPG史みたいな話が今回は書きたい訳じゃあない。
 ちょうどこの前App Storeでピクセルリマスター版がまとめて買えるバンドル版という品を見つけて、見れば既に遊んでいる3、4を除いた1、2、5、6をまとめて買えば4,500円のド破格プライスだったのでつい買ってしまった。
 たぶんバラ売りで買ったらその倍くらいになったんじゃあないかな。
 で、まぁ、最終的には全部遊ぶだろうなーという見通しがあったので、清水の舞台から飛び降りる気持ちで買ってしまった。

 考えてみれば世の全盛ソシャゲなんかでは3,000円が湯水のようにガシャで溶けてってんだからなんとも慎ましやかな金銭感覚だよなと我ながら思うよ。
 とはいえ子どもの頃にワクワクさせて貰えたゲームがセットでこんなにお安く! って思うと、決して高い買い物じゃあない。因みにこの1だけど、私は初プレイという訳でもなく……古くはファミコン版の「ファイナルファンタジーⅠ・Ⅱ」という、その名の通り1と2がセットになってしかもなんか攻略本まで付いたバージョンを買って貰って遊んでいた記憶がある。

 その当時はクリアできなかった気がするんだけれど、そこからもう少し成長して学生時代、ガラケーのアプリ版で見事クリアした記憶があるんだな。
 今にして思えばあのちっちゃいガラケーの画面でよくぞ遊んだものだったけれど、当時は……そうだな、i-mode専用で7の前日譚「Before crisis」が遊べたり、他のキャリアでも4の続編に辺る「THE AFTER YEARS 月の帰還」が配信されていたりと、意外とガラケー時代にはガラケーなりのFFの遊び方があったもんだったと思う。
 というかむしろ「月の帰還」はガラケー仕様で今こそ遊びたいものなんだけれど、どうもApp Storeを探しても3Dリメイク版しかなさそうなんだよな。4の続編なんだったら是非2Dドットで楽しみたいところなのだけれど。


 ドンドン話が逸れていくな?
 まぁ、そんな感じで今回はFF1について書いていこう。

 今回はピクセルリマスター版という事で、遊び心地でいうとだいぶと快適になったと思う。
 まぁ、ある意味あのファミコン版の不親切さや粗さが好きだ! って方にはもしかしたら快適過ぎてコレジャナイ! ってご意見が出てくるかも知れないんだけれど、そこはもうスマホで遊ぶ現代にリマスターされたレトロゲーという事で。

 ファミコン版なんかだと同じ敵に四人が攻撃を集中させて、例えば二人目でその敵をやっつけてしまった場合は残る二人は空振り~、なんて憂き目にあったものなんだけれど今回はそういう事もなく、自動的に次の相手に向かって攻撃を向けるようになってくれていたり、ピクリマ版ファンならお馴染みのコマンド固定オートバトルなんかも搭載されているので、単純なレベル上げなんかは殆どストレスがない。
 この辺りはピクリマ版共通の仕様のようなので今回も大いに活用させて貰った。主に浮遊城のデスマシーン探しで。

 1には戦士、シーフ、モンク、赤魔術士、白魔術師、黒魔術師の6つのジョブから4人の戦士を選べて、……実をいうとオリジナル版に当たるファミコン版では攻撃魔法の威力に関わる「ちせい」パラメータがバグっていたせいで攻撃魔法に特化した黒魔術師なんかはそりゃあもうお荷物まっしぐらな扱いを受けていたものだったんだけれど、どうも調べてみるとキチンとこの辺が機能していて、更にネックだった魔法の使用回数を回復させるアイテムが店売りにも追加された事もあり、今作ではバンバン強力な魔法を使って敵全体を薙ぎ払っていく強力なジョブになっているらしい。

 まぁ。
 そんな事もつゆ知らずだった私は、ファミコン版で扱いやすかった戦士、赤魔術士、モンク、白魔術師の比較的オーソドックスな編成で探求の旅をはじめた訳だけれども。

 続いて、当然忘れてはいけない物語としての雑感。

 もう30年以上前のゲームのネタバレなんて一切気にする必要はないと思うのでカンタンにあらすじを書いていくと、
 プレイヤーの分身たる光の4戦士がクリスタルを携え、冒険を経て各地で土・火・水・風の4つのチカラを遮る邪悪な存在「カオス」を討ち倒し、クリスタルの輝きを取り戻しながら世界を混沌に導いた元凶を討つべく世界中を旅して回る話だ。
 この「世界中」というのはもちろん深い地の底の洞窟や火山、海底に眠る神殿、果ては砂漠の塔からワープ機能を使って宇宙に浮かぶ城や、時空を隔てた2,000年前の過去の世界にまで至る。
 脇を固めるのはファンタジーの世界観では同じのエルフやドワーフと言った種族はもちろん、モンスターだって多彩。お馴染みのゴブリンやトロル、SF風の要素も取り入れているから「かくこうげき」なんで物騒な技でパーティ全体に大ダメージを与えてくるデスマシーンなんてものまで居る。

 令和になった今改めて遊ぶと、古典も古典コッテコテの古典! をありったけに積み込んだようなゴチャマゼの作風になっているけれど、シリーズのファンならお馴染みのバハムートなんかは既に登場しているし、3にも登場したウネ、それに名前だけならシドだって登場している。
 確かに「FF」としての骨子はこの時点で既に存在しているんだよな……と思うと遊んでいて感慨深いものがある。
 それに「古代人が作ったロボットのチカラを借りて高い塔を登る」なんて展開は後のFF外伝こと「聖剣伝説」に通ずるものがあって思わず口元が緩んだりもした。


 続いて各ジョブの雑感。
 といっても上記の4ジョブしか触っていないので、残る2ジョブがどうなっているかは知らないし、気が向いたら追記するかも知れないんだけれどたぶん次は別のFFを遊んでるような気もするので追記は永遠にないかも知れない。
 途中でバハムートに勇気の称号を授かる事でクラスチェンジしてパワーアップもするので、そこ込みの雑感を。


■戦士→ナイト
 まぁ分かりやすく前衛アタッカー。
 この頃のナイトは別に「かばう」とかもないので、ひたすら固くて武器攻撃でガンガン敵を倒していく物理アタッカーだよ。
 ダンジョン内で拾える強力な武器だったりをガシガシ装備させてとりあえずガンガン振らせときゃ一定のダメージソースになるし、終盤では専用武器のエクスカリバーが入手できるようになるのでそれを持たせれば全ジョブが持てる最強武器のマサムネを別のジョブに譲れる点もド優秀。

 地味にナイトになると低レベルの白魔法も使えるようにはなるんだけれどほぼ空気だからあんまり使う機会はないかな。マップ画面での回復はアホほど余るお金で買った回復アイテムで賄えるので、4のセシルみたいな感じで使える感じでもない。


■赤魔術士→赤魔道士
 まぁ勇者職。
 最高位の魔法は使えないものの白・黒の両方の魔法がある程度までなら使えるし、戦士みたいに剣だって装備できるので雑魚戦はサブアタッカーみたいな感覚でブンブン剣を振らせてても十分活躍できる。
 今回のプレイだと唯一の黒魔法使いということもあり、ボス戦では今作最強の補助魔法「ヘイスト」、続いて「ストライ」を使って後述のモンクを鬼強化するトス役に落ち着く。
 戦士と並んでファミコン版から人気の高いジョブだと思う。
 まぁ、今作は知性バグ改善とMP回復アイテム実装で相対的に価値は下がったんだろうけれど、それでも小回りが利くこの器用さは私には手放し難い魅力があった。


■モンク→スーパーモンク
 スーパー脳筋パワー馬鹿。
 大体のジョブはクラスチェンジを経ると白なり黒なりの魔法がチョットずつだけだけれど使えるようになるにも関わらずコイツはそういう事が一切ない。
 
まぁ単純にスーパーになったモンクだから、良くいえば変わらない使用感のままで遊べる! と言えなくもないんだろうか? ひたすらヒット数の高い攻撃コマンドで相手をオラオラオラオラと殴り続けていたら自動的に相手が倒れている。
 無人の野を行くが如し。
 極めろ道。悟れよ我。

 今作は与ダメージにヒット数というものが大きく関わってくるんだけれど、モンクはそれが全ジョブ中最も伸びやすく、かつ、前述の補助魔法ヘイストを受けるとヒット数が倍増するので悪夢のようなヒット数で凶悪極まりないダメージを叩き出してくれたりする。
 強いてあげるならマトモな防具が装備できないので序盤は防御力不足に悩まされる事があったりなかったりするけれど、終盤の火力は他の追随を許さないのが最大の強み。


■白魔術師→白魔道士
 まぁヒーラー。
 いや他にあんまり書く事がない。
 ナイトや赤魔道士じゃ使えない全体回復のヒール系や、完全復活のアレイズ、全体攻撃魔法のホーリーが使える事くらいか。
 一応ヒール系は最下級魔法のヒールなら癒やしの杖&兜をアイテム欄から選べば別ジョブでも使えるけれど、最終盤のボス格相手だと焼け石に水なのでやっぱりヒーラ以降が使える白が一人いると安定するね。くらいの。
 このテのパーティ編成からメイキングできるRPGでヒーラーを外した事がないから居る事の恩恵がパッと浮かびづらいんだけれど、まぁでも居ないとたぶん難易度がグッと上がるんじゃあないの。たぶん。

 

 そんな感じ。
 ゲーム自体は初期のファミコンのゲームと言うこともあって、良く言えばシンプルで迷わずに進められるし、悪く言えばやりこみ要素に欠ける。
 あいにくとGBA版やPSP版にあった追加要素は丸ごと削られてるしね。
 (それにしてはラスボスのHPが追加要素込みかってくらいの超HPだったりはしたんだが)


 次にどこに行って何をすれば良いかは過不足なく誰かが提示してくれるし、そういう意味では丁寧な作りのRPGかなとも思う。
 何より「周回要素」なんて概念すらない時代のRPGだからね。

 強いてあげるならカヌー入手後にグルグ火山に直行せずに氷の洞窟→飛空艇入手→試練の城→クラスチェンジの恩恵が受けられるとかそういう感じだろうか?
 フラグ立て自体で言えば飛空艇入手以降はいきなり普通にプレイしてたら最後に戦うであろうカオスのティアマットに挑めたりもできるんだろうかな。
 それでも2~3時間くらい浮遊城でデスマシーン探してたから今クリアタイムを見ると16:04分。サッとクリアに向かえば10~12時間くらいに落ち着いたかも知れない。


 遊ぶだけの価値はあったし十分懐かしかったけれど、FFブランドって事を加味して贔屓目に評価してもボリューム不足や、何も今頑張って遊ぶほどのオススメ度はないかも。
 私はこれはこれで楽しめたけれど、良くも悪くも古いゲーム。
 「今遊んでも今のゲームに決して引けは取らない!」とまでは言えない。

 そこはノスタルジィ補正というか、古代遺跡にあった文明の跡を眺めてワクワクするような楽しみ方が多分にかかっている事も理解してはいるので。

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