佐藤美央

いのちの無駄遣い

もしかしたら私は、いのちの無駄遣い、しているのかもしれない。

そんなふうに、しばしば考えるようになった。とは言え、ゲーム中毒に陥っていて何時間もそれに費やしているとか、ろくでもない男に貢いでいるとか、そんなドラマチックな話ではないのだ。

ただ、朝起きて、コーヒーを淹れながら新聞を読み、たまにはメーソーなんかもしてみちゃったりする。仕事に行けば、全くつまらない訳でも、暇な訳でもないから、その時そ

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しとやかな雨が溶かすもの。

雨の日は、雨音にまぎれて何も耳に届かなくなるのだと思っていた。

けれども、日本庭園の中を歩いていると滝のせせらぎが、そこだけがスポットライトに当たったかのようにふっと聴こえてくる。

そうすると、次々と耳は音をつかまえる。

傘にぽつぽつと落ちる音、瀬落ちからの柔らかな流れの音、屋根を伝う雨どいの音。

耳だけでなく、もみじを伝うしずくや手水場に波紋を広げる雨もみえてくる。

当たり前にそばにい

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脱ハイカロリーなエコロジー!

昨今そこかしこから耳にする「肌に触れるもの、体に入れるものは自然なものの方が良い。なぜならば、人間も自然な生き物だから。」という話や「地球環境破壊が深刻で出来る限り環境に負荷の少ないものを選ぼう」という話。

そんなことを聞きながら、数年前から何気なくオーガニックなものやナチュラルなものとそうでないものとをゆらゆらしながら、いつの間にかほとんどのものがナチュラルなものへと移り変わっていった。

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繋がるのは良いこと?

一昨年にスマホを数ヶ月つかっていた。その時に「スマホって本当に良くないモノなんだな…少なくとも私にとっては。」と、ほとほと分かったのである。

端末から電磁波が出ていて良くない、とか、目が悪くなる、とか、ゲーム依存になる、とか。きっと一般的に言われている弊害は色々あると思うのだが、私は「インターネットというものに、常時接続すること(常時接続する端末を所持すること)」が、ダメだったのである。

なぜ

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吹き抜ける風が合図。

茶道のお稽古に通うようになって、意外だったのは、先生と生徒さんたちでおしゃべりがにぎやかだったことだ。しぃーんとした中で、ぴりりとした空気のもとで稽古をするものだと思っていたからだ。

それでも、ふとした瞬間に。

木々がさざめく音と共に、窓からふぃ〜っとした風が吹き抜けていく。風が何かの合図かのように、お点前を立ててくださる方へと焦点が自然と集まり、ぐいっと空間が凝縮したかのような感じを覚える。

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歩いて鍛える自信

東北の震災において、釜石の奇跡と呼ばれる事例があることをご存知の方も多いのではないでしょうか。グランドにいた中学生が先導に立ち避難をすることで、校舎の中にいる生徒や近隣の住人たちもそれに続いていくことで、津波の難を逃れたという話です。

この話を美談として紹介したいのではなく、私は先陣をきった中学生は”自信”によって行動できたのではないかと考えます。

誰も避難をしていないところで、先づ避難を始め

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