モチベーション21〜とりあえず1回仕上げる〜

「一度完成させる」という表現には、甘い誘惑がないだろうか。
ここには、「とりあえずでいい」というニュアンスが含まれている。
しかし、大抵はそのゼロからイチにする作業が最もエネルギーを要する。
それでも極論、一回仕上げれば、あとは放置でいいのだと考えて取り組んでみる。
それで、もし完成したならばしめたものだ。
せっかく手にした知識やスキルを何もメンテナンスしないのはもったいないと考えるのが人間の心理である。
何とか仕事や実生活に活かせないかと、あれこれ考え始めることだろう。
一度体得した技術というものは、錆びていくことはあったとしても、そう簡単には抜け落ちないものだ。


あれこれ手を出している時に限って、頭ではそれぞれを「その内完成させよう」と思ってしまってはいないか。
一方、どれかに集中的に取り組むことで、他のやっていることにも活かす道が生まれる。
複数の選択肢があると一つどころへの踏み込みが甘いために、どれも中途半端になってしまうのだ。
確かに、興味がある分野は周辺分野に飛び火し、繋げることができる。
これがたくさんのことに取り組んでしまう要因かもしれない。
そして、一つどころが完成しない言い訳として、「他にもやることがあるから」と言ってしまうのだ。
そうではなく、逆転の発想を持ち、あえて一つどころを「とりあえず」完成させてみる。
とりあえず、1回でいい。
1回だけでいいなら、できそうな気がしてこないだろうか。
そのような気持ちが湧いてきたとしたならば、良い兆候だ。
やってみるモチベーションは高まっている。


しかし、実際はその一つどころが物凄く大変なことは後ほど体感することになるだろう。
それでももう引き返すことの方が面倒であり、もし本当に仕上がってしまったならば、他とのつながりが現実味を持って見出せてくるだろう。
1回集中的に取り組んでみて、考えるのは仕上がった後でいい。
のめり込むものは多くの場合、時間と量を要求する。
一つどころを深掘りし、そこから逃げないことで夢は確実に近づいてくる。
今からでも決して遅くはない。
巻き返しを狙おう。

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