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コンピュータが絵を描く時代

いつかはやってくるとは思っていたけれど、私が生きてるうちにやってくるとは思っていなかった。
昔読んだコラムで、写真はデジカメになって技術では差がつかなくなり、何を撮るかがプロとアマの境目になった、絵もこれからそうなるだろうという話があったのを覚えている。
個人的には、コンピュータが絵を描く時代になったが、何を描こうと思うのかという発想ではなく、自分で絵を描く行為そのものに価値があると感じている。
結果が簡単に得られるようになったからこそ、結果の質ではなく、結果を得る行為こそが価値を持つと思うのだ。
それはコンピュータを使っても模倣できない。
というより、コンピュータが絵を描く前から、自分よりもずっと上手く絵を描ける人がいるのに絵を描く理由は、自分で描くことに価値を感じていたからだった。
そして、コンピュータが絵を描くようになってもそれは変わらない。
私にとってはそういう話だ。

ただ、絵を描く技術を持たない人が自分の絵を手に入れることが出来る様になったのはすごい革新ではある。
これから先、絵を描く技術を身につける前に絵を手に入れられることが当たり前になる時代には、絵を描く技術に価値を感じる人はいなくなるだろう。それを試す前にもう結果が手に入るようになってしまうからだ。
だから、やっぱりあのコラムの言うことは正しいのだろうが、だとすると過渡期に生まれて描く行為に価値を感じられる最後の時代に立ち会えたことはきっと幸運なのだろうと思う。

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