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melancholic days 『6月』

ちゃちゃっと27歳で終わらせるはずの俺の人生計画。

それが崩れ始めた最初のきっかけは19か20歳になったばかりの頃。曖昧になってしまっている。あんなにツライ思いをしたことは数えるほどしかないのに…。随分と時が流れたんだろう。

6月になると毎年思いだしていた。そして今年も。去年や今年は少し違う。自分のことで精一杯で少し忘れることができた。

20年以上前の6月。

幼馴染のような1つ歳下の後輩が自殺した。

毎日遊んで、青春の日々のほぼ毎日にアイツはいた。突然いなくなり、そして知らない土地でX JAPANのhideさんが死んだ翌月に同じ死に方で死んだ。

その数日前ぐらいだろうか。俺の留守番電話にアイツは話しかけていた。その時俺は色々な事情で常に留守番電話にしていた。電話に出たくなかったし、誰とも話したい気分では無かったからだ。とにかく1人になりたかった。俺も自殺を何度も考えていた。家庭の事情、金銭問題、死ぬほど好きだった彼女との別れから何年も抜け出せない日々。

あの時電話に出ておけば…。アイツは最後に俺に何を話したかったんだろう。今でも謎のままだ。

遺体と対面した。人の死体を見たのはその時が初めてだ。随分とやつれていたが色男だった面影もありアイツがいつも寝ている時と同じ仕草だった。まるで寝ているようで信じられなかった。

寝息は聞こえない。顔に触れて、悔しくて手を握りしめた。

冷たい。異常な冷たさだった。指先や手のひらの温度でこんなにも生命の躍動と温もりが生きている証明なんだという事を初めて悟った。

とにかく悔しかった。何度も何度も叫んで名前を呼んだこともある。届いてる証が欲しかったが何も無かった…。

葬儀も沢山の人が来て大勢の人が泣いている。啜り泣き、号泣。関係が浅くても深くても。若すぎる。ある意味哀れなアイツの死は俺以外にも沢山の人に影響を与えたんだろう。

俺は死にたくないと思った!とにかくこんな死に方だけは死にたくないと。異様に怖くなった。ボロボロになっても泥水すすっても生きていたいと思った。

ここからが俺の転機。今思えばサバイバルに生き抜くことに方向転換した第1のきっかけだったことは間違いないだろう。

今年も紫陽花の花が雨で揺れている。

あの時の憂鬱や後悔はこれからも毎年想うのだろう。

今は熱狂という狂った情熱の中で少し忘れることが出来ているが…。

2019年 6月

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