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俺と師匠の情熱seitai life 7

関節セミナーが始まるまでの日々はサイアクだった。

クラスが奇数のため誰かが1人余ることになる。

それはいつも俺だった...。

とにかく馴染めないしウキまくる。だがそんな事はどうだっていい。俺とキミらとでは根本的に違うのだよ。ザクとは違うのだよ、ザクとは!

俺は今まで何回もピンチを乗り越えてきてる、嘘かホントかわからない中国3000年のレシピだけで様々な人生の困難を乗り越えてきてる。経験だけが自信に変わるのを俺は知っている。

先生と仲良くなりたいと思ってはいたが、セミナーでイライラしてるからすぐにサロンを出て東京にいる友達とマニアックな楽器店に行ってから酒を呑むのがいつものパターン(^^)

そいつも音楽業界で俺と同じように浮いてて、馴染めないらしい。よく似ている。2人で楽器屋に行き最高のファズとスピーカーを探す旅に出る。

そして俺は必ずストラトキャスターで試奏し、少し可愛げなチャリっとした音でお洒落なフレーズを弾き、いきなり超極悪な洪水の様な轟音に変えるのだ。 それがファズというエフェクター。魔法の箱!店中がハッとする。俺よりだいぶ年上そうな髪が薄くなった店員のオヤジの心臓をえぐる。そして俺達は恍惚感に店員のオヤジと一緒に包まれるのだ。

俺は音楽のこの数秒しか感じられない一瞬のスリルがたまらない。波乗りの瞬間と落水するまでの感覚にも近い。

人はスリルを求めて一瞬の恍惚感を求めて生きているのかもしれない...。終電ギリギリまで愚痴を言って酒を浴びるほど飲んで慰め合う。

東京の日々は、まだ薄暗い朝の新宿の漫喫と同胞との渋谷の夜の街でのこの探検で俺は満たされていた。

そんな時、一緒に勉強しているコマモン(仮名)が独立して開業。先生のsalonでセミナー後みんなでお祝いをしようということになる。

この日から俺の中で決定的な何かが変わる。

俺は本気でレッドオーシャンを抜け出し、帰らない覚悟を決めることとなるのだ。

つづく




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