見出し画像

日本人ペルソナ使うのへたくそすぎじゃないか問題

ふだん、定量データや定性データを分析して、「御社のペルソナってこういう人ですよね」っていうのを作るお仕事をよくしています。

ところで、ペルソナ作るのって、めっちゃむずかしくないですか⁇

今回はペルソナ立てるときに良く上がる話に対しての愚痴noteです。


(そもそもペルソナって何かっていう人に)

ペルソナとは、あなたの製品やサービスの理想の顧客の人物像です。コンテンツマーケティングやリードナーチャリングなどのマーケティング活動でペルソナは必須と言えます。
ペルソナは理想の顧客そのものではありません。一人の顧客が全ての理想的な条件を満たすことは無いため、既存顧客の情報やインタビュー、調査データなどの実在する情報から、架空の理想の顧客「像」を描きます。これがペルソナです。
https://blog.kairosmarketing.net/contentmarketing/persona-marketing/

ようするに、来てほしいお客さんを設定する作業が、「ペルソナを作る(立てる)」ってことです。

もちろん新しいサービスではデータがないので、市場調査したりなんやかんや、場合によっては「創業者の熱い想い」がデータソースになってる場合もあります。別にそれでもいいと思います。ペルソナはビジネスに合わせて変えていけばいいので。


ペルソナとロイヤリティ顧客の区別できてない問題

「ペルソナ立てるんでデータください」っていうと、「自社の商品を3回以上購入してくれている人」とか「1万円以上購入してくれている人」のデータが出てくるときがよくあります。

別に、ロイヤリティの高い顧客と理想の顧客が一致してるならいいんですよ。

御社の課題って、「ターゲットである20代が商品を買ってくれない」なんじゃないでしたっけ。ってことは私がもらわなきゃいけないのは20代のデータじゃないでしたっけ。20代で買ってくれた人と20代で買ってくれなかった人のデータが両方あれば尚良。

なんで人って「今買ってくれてる人」の分析ばっかりしたがるんでしょうかね。だいたいの企業が、「買ってほしい人に買ってもらえない」ことで悩んでるのにね。


ペルソナに全部しぼらないといけないのか問題

ロイヤリティの高い顧客から作ったペルソナは40代、ものづくりしてる担当者が売りたいのは20代。はい報告会が地獄です。

ブラマネ「これは40代に売れってことですか?弊社は20代に向けた商品を作ってるんですが」

そもそも20代のデータ渡せよって感じですが、ペルソナはカスタマージャーニーやらコンテンツを作る時の参考であって、その人にしか商品を売ってはならないという法律はありません。

ペルソナはなぜ作るのかというと、ターゲットに刺さりやすいシャープなコミュニケーションを設計するためです。全体に語り掛ける部分は全体のままにすればいいんです。
テレビCMのクリエイティブなんだったら、せっかくマスなんだから全性別全年代に刺さる用に商品認知狙えばいいんです。その後に「自分事化」させるタイミングでウェブ広告流すときのセグメント配信とかに使えばいいんです。

「40代の中には主婦もいるしOLもいるし…主婦に絞っていいのか…」的な声をよく聞きますが、主婦に絞る勇気がないんだったらペルソナなぞ立てなければいい。かえって混乱するだけだわ。

ぼやっとセグメントするか、ペルソナに絞り込んでシャープにコミュニケーション取るか、ブランド担当者の覚悟の問題です。資源をどこに配分するかのはなしです。
でも覚悟だけで何の根拠もなく絞り込むのはさすがに危険すぎるから、データからペルソナ立てましょうって言ってるんです。

(ついでに言うと、そこの社内調整とか説得するとこを代理店に任せようとするんじゃありません)


ブランド担当者側(ペルソナ使う人)がやった方がよいこと

自分のブランドを売りたい人に売り込むとき、どうやって伝えるかを書いてみてください。

そのメッセージは、20代にも40代にも主婦にもOLにも全部に刺さるでしょうか。誰にでも刺さるなら、あなたのブランドにペルソナは要らないかもしれません。
刺さらない人が日本の(あるいは地球上の)どこかにいそうなら、つまりあなたが無意識に頭の中でやったことがペルソナを立てるってことです。

あなたが普段コミュニケーションを考えるうえで、売りたい人のことを考える時だけ、自分の感覚じゃなくてそのペルソナ(データに基づいた)を引っ張り出してくるんです。ペルソナってのはつまりそういう使い方です。


分析者側(ペルソナ作る人)がやった方がいいこと

まずは担当者に粘り強く説明するのです。今買ってくれてる人と売りたい人が合ってるかどうかをちゃんと確認するのです。合ってないなら、どっちにするのか担当者と熱く語り合うのです。

で、作る側としてはなるべく使う人の不安が払しょくできるように作らないといけないです。
データとのブリッジ(このデータがあるからこういう性格だよ)がちゃんと出来ているかどうか、関係者にとって納得感があるペルソナになっているかどうか、イメージしやすい・実際に使ってるシーンが想定できるような説明ができているか。

ペルソナなんて、要するに腹落ち感があればあんまりつっこまれません。
今までうっすら思ってたことと変わらないってことですもん。もしそうじゃない結果がデータから出た場合、データを曲げずにきちんと説明するのです。

作るのも大変だけど運用の方が大変問題

これだけ苦労して作っても、ペルソナはいつのまにか担当者のドライブの奥深くにしまい込まれていきます…。なんでや。

たぶん使う・検証するのフローがちゃんと回せてないからです。一回作って眠らせるのはもったいないので(作るまでに相当な労力とコストをかけたはずです)、ちゃんと使いましょう。検証しましょう。

たとえば社内でペルソナに近い人を1人見つけます。なるべく普段の施策の関係者じゃない方がいいです。
何か施策を決める時、振り返る時、その人にも意見を聞いてみてください。架空の人だから、連絡も取らず、本当にその施策に影響されたかを調べることもなく、眠っていくのです。だったら実在させればいいんです。2次元より3次元です。


おしまい

〆の言葉がとくに見つからなかったので、昔読んだ本のリンクを貼っておきます。アフィリエイトぢゃないよ。

(このnoteは、ただの個人の見解と愚痴ですヨ。)