先輩や上司が電話を取れという理由・・・

どこの会社も代表の電話番号とか部署の電話とかありますよね?あれ、鳴りっぱなしにするのはどうかと思うんです。だから私は最近しがないおっさんで先輩でもあり、上司でもあり、正直電話なんて取らなくて良い立場かもしれませんが、私が気がついたら誰よりも早く電話を取る気満々で周りをびびらせているのかもしれません。

それは、かけてくれる相手に失礼にならないように早く電話を受けるという前提もありますが、電話が鳴っている事に対して肩書きは全く持って不要だと思っているからです。もちろん常識的に個人の携帯電話は取りませんし、隣の部署の電話でその部署のメンバーが在席していれば、それは取らないよなって思いますが自分の所掌範囲の電話は取るべきだと考えている人です。

それは入社してから先輩に「電話が新人が早く取るものだ」と教育されてきたからかもしれません。なぜ、電話は新人が早く取らなきゃいけないのか?これは入社して数年疑問に思っていました。

・別に電話なんて鳴っているうちにとればよい。

・誰がとってもいいのに、新人に電話を取らせる意味が分からない。

と思っていたんですよね。そんな3コール以内で取れって言われてもそれ意味ある??って不思議で不思議でしょうがなかったんです。

ある時、自分の下に新人が配属され、先輩と言う立場になりました。その時電話がなったんですね。1コール、2コール、3コールと・・・たまたま作業していて近くに電話がなかったものであたりを見回したら、その新人は席に座っていて電話が鳴っていても、なにやら資料を読んでいたんですね。

なぜ、お前は目の前の電話が鳴っているのに取らないんだ!

若干怒りのような、あきれのような・・・結局電話はその後その新人が辺りを見回して電話をとったんですがね、こいつ電話取るの遅すぎ・・・という感情が芽生えたんですね。

そのとき、はっ!っとして、

「ああ、先輩が電話を早く取れっていうのはこういう意味だったんだ」

と、新人時代の自分には見えない世界が、この瞬間広がって、ああ、コレが立場変わると考え方が変わるってやつだ・・って気がついたんです。

もちろんちゃんと意味があります。かけてきた相手を待たせないという大前提は変わりませんが、新人は他の人に比べて手が空いている。だから電話は率先して取るべきだというリソースの関係と、電話を取る事によって、誰がどんな仕事をしているのか?周りの職場の関係性が見えやすくなって、今どんな仕事が動いているのか?というのを垣間見る事が出来るんですよね・・・新人時代だと関わっている先輩意外と話機会も少ないし、そういう意味で

「〇〇さん、〇〇社から電話です」

「おお、ありがとう」

っていう簡単なコミュニケーションから、ちょっと緊急の連絡をもらって外出先まで連絡してあげたりすると、先輩に

「さっきはありがとうな。助かったよ・・・今こんな仕事していてさ・・・」

みたいな話題も広がったりするんですよね。だから、電話を取るというのは一見地味な作業だけど、会社の中を知るという意味ではよい機会だっていうのを気がつかないんですよね・・・

それを今の時代に口で言うのはめんどくさいので、私はそれを実践して自らやる事で、周りに気がついて欲しいという気持ちもあるのですが、

「あの、電話取るの早すぎてついていけません」

といわれる事あります。(笑) 知ってました?電話機って鳴る前に鳴動する際に電流が入る際に小さいカチッという音がしたり、音が鳴る前にもランプが点滅し始めたりする機種あるんですよね・・・それだけ自分が仕事に集中していると、視界に入るランプやかすかな音に反応しやすいって事なんでしょうけど、そこの極地まで行くと電話を取る重要性は理解できるかもしれませんね・・・

とある企業に勤める新米マネージャー 昔課長島耕作に憧れを抱いていたけれども、いざ自分がなってみると感じたリアルとバーチャルの境目に苦悩する日々をつらつらと書いたもの