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青木慶則のコラム

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マンスリー間隔で、2018年1月〜2019年12月まで続けて、2年休み、2022年に1年続けて、今はまた休んでます。
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#HARCO

叱られたい

年齢を重ねると、叱ってくれる人が少なくなる。それでも叱ってもらいたい。まだまだ勉強中の身ではあるけど、プロデュースをさせてもらっているとき、「それは言い過ぎじゃないですか」などと逆ギレしてくれないかなぁと、いつもワクワク(ビクビク?)している。ドMではない。あしからず...…笑 物腰はたぶん柔らかく、気が付けばしょうもない冗談ばかりを言っている自分だが、直感として感じたことのみを基本的には話している。そのたびに空気を読んでいると、伝えたいことが水で薄まってしまう。水彩画に例

Column #34 47歳

10/16で47歳になった。上のイラストby オグロエリ。いつも個人的に送ってくれる。愛を感じるよ、ありがとう😭。 なぜかもみあげにだけ白髪が増えてきた。白髪でもアグレッシブでかっこいいミュージシャンはまわりにいっぱいいるので、勇気が湧く。まだかろうじて平気だけど、薄くなったら帽子をかぶって隠して、素知らぬ顔で歌い続けよう。わざわざ書かなくていいこと書くを47歳。 自分は顔に似合わず熱い男なのだが、クライアントありきでも自分の作品でも、いま作っているものが過去最高傑作だと

Column #31 暑い

暑いなぁ。ニュースによると、北海道より緯度の高いロンドンでも40度を越えてきている。暑い。もう一度言う。暑い。 ☀️ ☀️ ☀️ ☀️ ☀️ ☀️ ☀️ ☀️ ただ、以前僕がよく開催していた「きこえる・シンポジウム」に参加したことがある人や、その辺りの情報をちょくちょく頭に入れていた人には、たいていの異常気象が想定内ではあると思う。COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)などの提言通りに、世界が進んでいるだけだ。 コロナや、最近急増している"サル痘"も、気候変動との因果

Column #26 国境のジェントルマン

ロシアとウクライナの国境で、ロシア兵は星空を眺めながら、何を想うのか。たとえ大義があろうとも、誰だって人を殺したくはない。 アメリカの発する情報は誤差こそあれど、ほぼその内容通りロシアのウクライナに対する侵攻が始まった(2022.2.20)。NATO(北大西洋条約機構)が冷戦後に東へ東へと急拡大していったことに対する、ロシアからの対抗措置が戦争……。あまりにも一方的だから、戦争という言い方は正しくないかもしれない。 NATOは文字通り北大西洋を囲む、北アメリカの国と西側諸

Column #25 ホップステップステップステップ......

本名名義になってからすぐの2018年1月に書き始めたマンスリーコラム、3年目から不定期に書くことにしていたが、案の定丸2年何も書かなかった。というわけでこの2022年1月から復活! 今回は月末だけど、ハットピンのブログも月末だから、来月からは15日くらいにしようかな。 僕はSNSで、率先して自分の心情を書くタイプではなく、最新情報とそれにまつわる雑感を書き込むくらいだから、こういうコラムはやっぱり大切だよね、きっと。さて、何を書こう。ちょうどこの2年を振り返ると、まずどうし

Column #24 ぼくはふりむく

2019年も年の瀬。いきなりですがここでご報告。このマンスリーコラム、毎月更新するのは今回で一旦最後にすることに。ネタに詰まることが増え、書くのにかなり時間がかかるようになってしまいました。というわけで来年からは書きたくなったときに書くことにします。締め切りがないと動かないタイプのなので、もしかしたら今後ずっと書かない可能性も無きにしもあらずなのだけど、ご存知のように文章を書くことは好きなので、次に更新されたときは「よっぽど書かずにはいられない内容」なのだなと思って、読んでも

Column #23 12/14発売の新作2枚について

本名名義として、そして自分のレーベル「Symphony Blue Label」からの作品として、2作目&3作目を12/14に同時リリースする。僕にとって2度目のヨーロッパ企画・サウンドトラックと、6曲入りEP「冬の大六角形」。どんな形であれ、自分のレーベルのカタログが増えるというだけで嬉しいものだ。 今回は一般流通を通さないので、新しく立ち上げた通販サイト「青木商店」とライブ会場のみでの販売になる。HARCOのキャリア後半も、ポリスターから出した代表的なアルバム以外は、とく

Column #22 台風と多摩川、江戸時代の青木根

今月の半ば、中部地方から東日本にかけて猛威を振るった台風19号。昨年の大阪の強風被害をニュースで見ていたので、窓に養生テープを貼るなど、とにかく風に対して恐怖を抱きながら身構えていた。その風は、結果的に僕の出演予定だったイベント開催まで飛ばしてしまった。 しかしどちらかというと風よりも、過去最強クラスといわれた雨量が文字通りひどく、首都圏よりも西側、つまりダムが多くあるエリアを進路に選び北上した。よって首都圏においても多くの川の水位が極度に上昇。僕の住む神奈川県川崎市と東京

Column # 21 枝先でどんぐりたちは歌う

一昨日の9/28は、東京・渋谷区の支援センター「かぞくのアトリエ」で、アートスクールを開催。当初は通常のライブに少しばかり参加形式のものを増やすくらいのつもりでいたのだけど、自宅で何度もシミュレーションするうちに、ほとんどが家族で参加してもらえる内容になった。 至らないところも多かったとは思うけれど、この日に向けて他のアーティストのワークショップを見学したり、息子とのおでかけの際に見たショーでは必ずメモを取ったりしていた。本番は無事に盛り上がった分、やや詰め込みすぎてしまっ

#Column 20 海外ドラマの愉しみ:FARGO

普段、あまりドラマを見ることはないのだけど、なにか海外ドラマにハマってみたいなと思った。今年の自分に必要なのは「適度な息抜き」なので、何も考えなくても良い時間をさらに増やすために。 今はインターネットでなんでも観れる。でもあまり派手な設定や演出だったり、お決まりの勧善懲悪ものなどが好きではないので、できるだけ地味で文学的傾向の強いドラマを探す。 うーん、なかなかない。あれこれ選んだ末に見始めたのは「FARGO(ファーゴ)」。「ビッグ・リボウスキ」などで有名なコーエン兄弟監

Column #19 記号と数字に満ちた仕事術

今月のとくに後半は、京都の劇団「ヨーロッパ企画」の音楽をずっと制作している。役者さんたちは、はじめに台本の無いなかでの即興を取り入れたエチュードを繰り返し、スタジオでの稽古に移った後、実際のプレビュー公演で使われる舞台での稽古へ移る。今はまさにその舞台稽古の真っ最中。毎日こちらにも映像が送られてくるので、完成予想図を描きやすい。 映画の仕事だと、編集を終えた完成版の映像を見ながら作ることが多く、役者の動きも変わらないが、演劇は稽古も本番も1回1回が違うので、生身の人間の風景

Column #18 プロ野球と父の感嘆詞

5年ほど前から、近所に暮らしたまに夕食も共にする父との会話をもっと増やそうと、プロ野球情報をこまめにチェックするようになった。しかし自分の方がだんだん野球に詳しくなってしまい、年々その度合いを増し続け、今年はその想いが爆発。今までの何倍も、テレビやネットで毎日好きなチームの動向を追っている。 そのチームとは、ずばり巨人。父は東京出身というのもあるかもしれないが、少なくとも祖父の代から受け継いでいる。幼い頃の夏の家族の風景といえば、青く透き通った羽根の扇風機と、微かなビールの

Column #16 昭和、平成、令和、そして軽音楽

平成が明けた時は中学1年生。年明けはいつも家族でスキーに行くのが恒例だったので、その旅先の宿で小渕さんが「平成」という字を掲げるのを家族そろって眺めた。その瞬間を今でもはっきり覚えている。昭和64年は7日間で終わった。 2年後にはバンドを組み、そのバンド「BLUE BOY」でデビューしたのは、平成5年の夏。平成10年に解散ライブ。その前年の平成9年にHARCOとしてソロビューして、平成29年の最後にHARCOを終了した。 西暦でしか覚えてなかったから新鮮なのだが、今までの

Columnn #12 ファーストアルバムの解説をほんの少し

今年もあと1日で終わる。早いなぁ。でもとても濃密な1年だった。なんだか時間という感覚だけではくくりきれない。ちょっと思い返すだけで、飛び出す絵本みたいに1日1日が蘇ってくる。セルフマネージメント、セルフレーベル。ぶっちゃけしんどい局面がいくつもあったけど、すべて自分の血肉となったと思えば、こんなに意義深い1年もそうないのかもしれない。 自分の本名名義のアルバムがついに出た。これまでしみじみ感じ入る時間の余裕もなかったが、やっぱり感慨深い。誰がどんなときに聴いてくれているんだ