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Column #4 桜が散った後の確定申告

初出掲載日 2018.04.30

今回は少し難しい、経理の話。かといって僕はフリーになったばかりでまだまだ素人同然なのだけど、年度末恒例の確定申告だけはバンドの頃から約25年間、ずっと自分で書いて提出している。はじめはまだ高校生だったので、税理士さんにアドバイスをもらいながら記入し、翌年以降は少しずつ自分でも勉強していった。

今月はクライアントさんのお仕事の量は少し減って、自分の曲作りを徐々に始めている。でもその前にまず、この確定申告を済ませなければいけなかった。あれ、4月に? その通り。本来は3/15までに出さなければいけないことになっていて、ついつい1ヶ月ほど遅れてしまった。でも過去の書類を見たら、ここ5年くらいはほとんど4月に提出している。あちゃー。どれだけルーズなんだ。

2月や3月は、4月からのスタートのために、何らかのプロジェクトの準備だったり、CMの楽曲制作だったり、今年は新しいラジオ番組のジングルを作っていたり、とにかく忙しい時期。しかも僕は、昨今の経理ソフトやクラウドを利用したネットでの申告ではなくて、いまだに手書きでひとつひとつ書いているから、やたらと時間がかかる。領収書をまとめたり、自分と元スタッフの帳簿を整理したりで、てんやわんや(でもみんなだって条件は同じなのだぞ...)。

ちなみに自営業の多くの人が利用している青色申告というスタイルは、いろいろと優遇が多いのだけど、3/15までの提出が2年連続で遅れると、その権利を剥奪されてしまう。僕はいまだに白色申告の方なので、追加の納税さえなければ基本的にペナルティはない。ただあまりにも遅れると、健康保険料や住民税をあとで調整しにいかなくちゃいけなかったり、とにかく面倒なことになる。

おっと、知らない人にとってはやっぱり難しくなってしまうので、この辺りでやめよう。とにかく今後もこんな調子でルーズにやっていたら、1年目からフリー失格だ。今年が始まって3分の1だけど、そのあいだに経理面で、さっそくいろんな方々にご迷惑をおかけしてしまった。今までの人生、人に頼りっぱなしで請求書ひとつ書いたことがなかったのだが、そんなことは言い訳にならない。失敗して修正してそれを忘れないようにメモして、自分を上書きしていくしかない。

それにしてもミュージシャンは、本当に収入が不安定。だから先のことも考えておかなければならない。正直、今までは目先のことで精一杯で、スタッフがいたとしてもよくここまでやってこれたなと思う。でもこれからは誰もお金を管理してはくれない。だから、ちょっとしたことでもかなり慎重になっている。

ここは笑い飛ばして欲しいのだが、最近は僕がひとりで外でランチを食べるとしたら、予算は100円前後と決めている。もはやランチなのかという感じだが、探してみれば、それなりに腹持ちのいい商品は簡単に見つけられるのだ。それから週末はどこへ行くにも、可能なかぎり家からお弁当を持って行くようにもなった。あれこれ節約するのは大変だが、以前より毎日が楽しく感じるのは気のせいだろうか。

とにかく何事も完璧になんてできないし、これからも分からないことは人に相談して、問題が解決したときはすぐにでも次の活動に還元していきたい。確定申告も、来年こそは3/15までに出したいぞ。せめて桜が咲く前に、「文書収受」の大きなハンコの付いた控え用の書類を受け取れるようにならなければ。というわけで川崎の税務署のみなさん、いつもごめんなさい。