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おたく、武蔵野うどん食べたことある?

「オタク」という言葉を初めて意識したのは漫画「湘南爆走族」(作・吉田聡)に出てきた弱そうなモブキャラのセリフだった。
一人称を「あたし」、二人称を「おたく」と言っているモデルガンマニアたちの会話だ。
80年代初頭、アニメやサブカルにハマった人たちの多くは二人称を「オマエ」とか「キミ」ではなく、少し距離を取った「おたく」と呼んでいた。
そこから愛好者を揶揄した「オタク」という呼称が生まれた。

当初、「オタク」は今ほどカジュアルな言葉ではなく、今でいう「チー牛」のような扱いだったので「俺〇〇オタクなんだよ」なんてオタクを自称するヤツはいなかった。
オタクは極端な愛好者であるが故に髪型や身なりなどに興味がなく、少人数のコミュニティの中だけで存在するので基本的に地味であったり、他者からは奇異の目で見られることも多かった。

近年ではアニメオタクやゲームオタク、特撮オタク、アイドルオタクなどが大きな会場の一大イベントに集結し、市民権を得た様な感じを出しているが、あれはいただけない。
オタクの特性は内向性と幼児性にあるのだが、これが集団になると非常に危険な場合がある。
鉄道オタクの中でも「撮り鉄」と呼ばれる連中の問題行動が度々メディアに取り上げられているのも見た事がある人も多いだろう。
文系オタクだけではない。
サッカーや野球などの熱狂的なファンも集団になると問題行動を起こすことが度々ある。
そう、熱狂的愛好家の持つ「自己愛にも似た幼児性」は少数だからこそ問題視されることはないが、集団になると「数の暴力」を簡単に生み出してしまう。
…などと真面目な話をしたばかりで恐縮だが、その上でハッキリ言うと、

俺はオタク気質である。

真のオタクではなく「オタク気質なだけ」なので、熱しやすく冷めやすいのがタチが悪い。気に入ったものがあるとすぐに「オタク化」してしまい、一度ハマってしまうとある程度、自分が納得できる位まではハマり続ける。短期的な「マイブーム」とはちょっと違って、それなりにしっかりとハマるので浅薄せんぱくすぎるという事はないのだが、結果としておのずと「あらゆる事にちょっとだけ詳しい人」になってしまう。

音楽はもちろん、美術館や博物館、科学館や動植物園に水族館、公園、資料館、寺社仏閣、バイクに車、漫画に特撮、アニメに映画に舞台、篆刻てんこくに水彩画、プラモデルにラジコン、釣りやキャンプ、それに大の旅行好きで食道楽。

とにかく「面白い!」と思ったら簡単にハマってしまう。さらに各ジャンルの中でも細分化された1ジャンル…例えば釣りならフライフィッシングとか、バイクならネイキッドをアメリカンにカスタムするとか、あまり人気のないジャンルに特化してハマる上に、その歴史や背景にまで興味を持って調べてしまうので、よりオタク臭が増すのだ。
だが、真のオタクではないので極める事もない。

そんな感じであらゆるジャンルのマイナーな分野にちょいちょい顔を突っ込んではオタクブルーな俺は、旅行好きの食道楽でもあるので、当然の如くご当地グルメにもハマる。

旅先でハマった食べ物と言えば…

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