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追憶に酔うの記

今朝、早朝から所要で出かけた時の事。
帰りがけに、なにやらパンらしきモノを頬張りながら登校する男子学生を見た。
「遅刻だ~っ!」と走りながら食パンを頬張る女学生は漫画でしか見た事がないが、彼は普通に歩きながらパンを食べていた。急ぐ様子もなく、歩きながら食べられるのならば家で普通に食べられなかったのだろうか?

ちらっと見えただけだが、口に運んでいたのはコンビニやスーパーなどで買ったと思われる「あんドーナツ」のようだった。
コンビニで買う時間があるのならば家で何かしら食べる事ができただろうが、制服から察するにここは彼が通う学校にほど近く、まだ食べ始めであることから彼の家もここから近いはずだ。
となると、彼の家から学校までの間に家にコンビニはないので家にあったあんドーナツ(らしきモノ)を持ってきたという事になる。

時間的にも登校時間ギリギリだと思う。なぜなら周囲を見渡しても他に彼の学校に向かう生徒はいないからだ。
俺が通ってきた帰り道は彼が通っているであろう学校の通学路でもあるので、遅刻しそうな生徒たちが走っているのを見ている。
それなのに彼は少しも急ぐ素振りもなく、悠然と歩いている。

俺の推察が間違っているのか?彼が遅刻をモノともしないタイプの人間なのか?

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