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勤務初日後編

スパツアーが始まりました。少人数のグループで乗客がどんどん来ます。大体がアメリカ人です。家族や友達のグループで乗ってきます。私の乗っているカーニバルクルーズは「Fun cruise 」とか「Party cruise 」と呼ばれていて比較的安価でクルーズに乗れる為、乗客の年齢層は低めで、乗った瞬間からお酒を飲みだす乗客が多いような船でした。

そんなテンションのあがったアメリカ人がどんどんの乗ってきます。もちろん乗客は英語しかしゃべりません、ネイティブの速度でいろいろ質問されたり冗談を言われたりします。

正確には質問内容は一部わかりましたが、冗談に関しては全く、、、全くわからないので、私以外のみんなが笑っているけど私だけ真顔という状態です。これがこの後の生活を苦しめていきます。とにかくアメリカ人は鍼の説明をしていると何かしらの冗談、いじりみたいなことをしてきます。こっちは真剣に説明しているのですが、相手はバケーション中ですしいじって一笑いして満足といった感じです。

そのいじりや冗談がわからないんです。英語が聞き取れないし、聞き取れても何が面白いのかわからないといった感じです。

苦痛です。

このスパツアーは2時間くらい続くのですが、苦痛です。原因は英語がわからないことなのですが、精神を削られます。

そんな感じで右も左もわからない状態で初日の勤務を続けていました。そうこうしているとスパツアーは終わり、緊急時対応の説明をするという仕事があるらしく何をするのかもわからず、いったん部屋に戻ってオレンジ色の救命胴衣をもって自分の担当する場所でお客さんを案内するという、たった今初めてきいた仕事に向かうことになりました。まだ船の地理もわかっていません。自分の部屋にどう戻るのかわからず、担当の場所までも案内してもらい、そこで何をするのかもわからないのですべて人に聞いて見よう見真似でやるという状態でした。

いきなり実践という感じです。なんの事前練習もありません。ぶっつけ本番です、何もかも説明なしのぶっつけ本番です。これが一番びっくりしましたし、精神的にこたえました。

大変だったという事ばかりを書いていますが、ようするにこの経験が私をとても強くしたという事です。今となっては最高の経験だったと心から思っています。

さてこの緊急避難の案内では飛行機のCAさんがやるようなライフジャケットの着方の説明や、非常口の指差し確認みたいなことをやります。全部となりの人がやっている事を見てまねしました。だから私だけワンテンポ遅れていたと思います(笑)

ここまでがクルーズ初日のルーティーンです。この後は予約があれば患者さんの治療をし、なければずっと自分の売り込み活動をします。スパツアーのつづきみたいな感じです。

私が働いているこのスパという部署にはいろんな職種の人が働いています。

マネージャー、受付、鍼師、美容医師、エステティシャン、フェイシャリスト、マッサージ師、トレーナー、美容師、理容師などが働いています。船のサイズにもよりますが、この船は約20人くらいのチームでした。規模としては小さいほうです。ちなみに男女比は

男:女=0.5:9.5

くらいです。ほぼ同僚は女の子だけです。うらやましいとよく言われましたが、それはそれで大変です(笑)

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