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”思いつき”定義集Ⅱ㉗「は」

【派遣/ハケン)】21世紀の日本で「忌まわしきもの」として流行した概念の一つ。2000年代初頭の改正労働法が大きな契機となり格差社会を深刻化させた要因の一つ。「失われた20年」の副産物だが味をしめた企業が潤える制度。
 遣隋使や遣唐使に始まり岩倉使節団までエリートの代名詞でもあったが、現代の派遣はネガティヴな意味合いで受け止められることが多い。合コンでは禁句。「ぼくはハケンで頑張ってます」と言えば相手にされない可能性は高じる(イケメンにもハケンの壁は大きい)。

【覇権】国際政治において権力分布の中心を担う大国。歴史的には、スペイン、オランダ、イギリス、アメリカを挙げるのが一般的。ただ、イスラーム世界では絶好調時代のオスマン・トルコ帝国、アジアの華夷秩序にあっては中華帝国も該当するかもしれない(統治の手法にそれぞれ違いがある)。
 覇権を求める国家が絶えないのは従属するよりはるかに望ましいから。権力関係が人間の世界から消え失せない限り覇権争いも終わらない。その中でより平和な世界を求めるとすれば、覇権争いをする国々が良好な関係を築くこと、それによって各陣営間の壁も相対的に低くなる。
◆注:経済的な覇権争いであれば平和的かというとそうではない。軍事力は経済力によって担保されているので。

【派閥】政治の世界では権力闘争で勝ち抜こうとする集団の具体的あり方。組織原理に忠実で上意下達を旨とするが、幅を利かせるのはカネである。ボスがボスであるためにはカネをちらつかせておく必要がある。カネのないところに人は集わないことを証明するためにある集団と言い換えることもできる。
 派閥とは要するに仲間であるから学校でも企業でもほぼすべての組織で形成される。無派閥を標榜する人もいるが風見鶏の可能性もある。貫けば出世競争で勝ち抜くにはやや不利。


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