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【本】『熊本地震 全証言Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ』を介護現場に活かしてみる

能登半島地震をきっかけに「今のままでいいのか?」という視点になることはとても申し訳ないなと思います。地震の可能性は常にあるんだからもっと早めに対策しておけよと言われても仕方ありません。
#まったく対策してないわけではないよ
でも最速で考え、今回は熊本地震(2016年4月)での体験談をまとめてある福祉施設の施設長である吉田洋さんの本を買い読みました。

福祉施設で働く人たちにとって参考になりすぎることがたくさん書かれています。
3点に絞って書いてみます。

水の確保

水道水から出る水は薄いコーヒー色のようだった

お風呂は我慢してもらう。トイレは濁った水でなんとかなる。飲料としての水は汲みにいかないといけない。生きていくためには食事が欠かせません。食事には水が必要です。水を汲むために悪路を力のある男性職員が1日2〜3回、1日4時間、水の確保のために時間を費やしました。

悪路を進んでいかないといけないので事故のリスクは高かったが水を汲みに行かないと命を守ることができないので難しい判断だったと思います。

【今準備できること】
タンクに水は溜めています。ただ飲料水としては使えません。長期間保存できるペットボトルしかないか。

情報発信

吉田さんは地震前からFacebookで発信していました。地震後は食糧や水が足りないとFacebookで発信し確保しました。
行政からの支援はすぐではありません。もちろん、Facebookなどで発信してもすぐに支援物資が届くわけではありません。タイムラグは生じてしまいます。ただ「◯日までに届けに行けそうです」と返信があるだけで希望がもてます。気をつけないといけないのが「これは正しい情報か?」
災害時だろうが悪いやつは必ずいます。
期待して支援物資を待っていてすっぽかされることは想定してないとメンタルは持ちません。Facebookは実名が基本なので、X(旧Twitter)などの匿名アカウントが多いSNSの中では信用性が高いです。情報の「正しい・間違い」「多い・少ない」の管理が大変そうです。

【今準備できること】
Facebookアカウントもっておく。施設のアカウントを作るとなると会社の許可などハードルがあるので個人のアカウントなら今すぐ作れます。僕はアカウントあります。
#ナウ


職員のメンタルケア

施設の利用者は被災者ですが、職員も被災者です。職員は仕事と家族の間に立たされることになります。
家では片付けや掃除が必要でしょうし、小さな子どもや高齢者がいればその世話をしなければなりません。
仕事に行けば普段とは違う業務の流れで動かないといけないのでいつもより人手が必要になり疲労感はより強くでます。
家での役割、仕事への使命感は1週間していくと疲れが顕著に見えてきます。
「このまま仕事していていいのか?」と離職を考えるようになるでしょう。
職員が1人いなくなると5人の利用者の世話ができなくなると本の中で言っています。
メンタルケアはとても重要です。

【今準備できること】
今ある業務継続計画(BCP)の組織図でリーダーがいない(来れない)場合のパターンが記載されているか確認する。なければ2番手、3番手まで用意する。
メンタルケアの専門家と繋がっておく。被災地には来れないと思うのでリモートで出来る体制を作っておく。LINEビデオ通話やzoomは使えるようにしておく。

長くなってしまったので1点だけ。
災害は毎年必ず日本のどこかで起こります。
とっても前向きな意見として「災害ビジネス」って成り立たないのかな?と思っています。無料だと申し訳ないなと思うでしょう。申し訳ないを解消するのは対価(お金)かなと。
決して弱みにつけ込もうというわけではなく、「問題を解決すること=ビジネス」であるので成立するのかなと思いました。

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あとがき

吉田さんは地震後もFacebookで発信してました。それが生きた記録となりより具体的なBCPを作れたそうです。ただ写真や動画をあまり撮ってないことを後悔したそうです。体験していない人に伝えるには視覚が一番です。でもねぇ。そこまで気がまわらないよね。

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