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たまたま見つけた、タマのガン

 コロナ禍の2019年。ワタクシは精巣腫瘍を切除するべく入院した次第であります。
 部位が部位なだけに、たまたま見つけたの!タマタマよ!(おやじギャグ)
 
 事の発端は疲れ果てて倒れ込んだお布団。起き上がる気力もなくズリズリと体をひきずって枕の位置まで頭を持ってきた際にパンツがお股に食い込んだ次第であります。
 食い込んだパンツを「やだぁ~」とか言いながら直していたところ、ふと触れた睾丸(キンタマやで)がいつもと違う!
 どのように違うかというと、とにかく硬いのであります!男たるもの硬くて良いのは竿だけであります!
「これ…ガンじゃね?」

 実はワタクシめは看護師の資格を持っており、看護師として働いていたこともあるため、その硬さが「ガンなのでは?」と思った次第であります。
(※因みに石のように硬いです。左右で比べるとすぐにわかるので、左右差を定期的にチェックすることをお勧めいたします。)
 「もしや!?」と思って左右差を確認したところ、右のタマタマが左のタマタマよりも2~3倍くらい大きいのでありました。

 人間っつーもんはヤバイ状況の時に「なんだかんだいって大丈夫じゃない?」と思う心理があることを看護学校でならった次第であります。(これを正常性バイアスと呼ぶらしいです。)まさに、ものの見事に正常性バイアスが働き「大丈夫なんじゃない?精巣炎とかなんじゃない?」と悪魔のささやきが聞こえた次第でありますが、インターネットで色々と調べてみると(看護師の資格を持っていても、たいして「がん」については詳しくない。)精巣炎の場合は熱感や痛みが伴うとのこと。でも、全然痛くない!かゆくもない!
 部位が部位なだけに恥ずかしさもあり(散々、男たちにさらけ出してきといて、それでも恥ずかしい気持ちがあったことに驚いた。)
「病院…どうしようかなぁ…。」などと思っていた次第であります。
 
 そんなワタクシめの背中を後押ししてくれたのは『ギャラクシー氏』という方が『オモコロ』というサイトに掲載していた『クリスマスにきんたま取ってみた』という漫画ルポであります。
 このルポから「精巣腫瘍の場合は即日入院、なんなら即日手術になるくらい転移が早い」という情報を得たため、こりゃあ恥ずかしいとか言ってらんねーわ!と思い、翌朝には職場に事情を話し休みをもらって病院へ行ったのであります。

「予約してないと待ちますよぉ~?」と病院の受付で言われたが、こちとらガンなんでぃっ!!と思い「何時間でも待ちます!!」と言い切って受診を待ちました。待つわ~いつまで~も~ま~つ~わ~♪(根性)
 結局、朝9時に病院に行って、診察を受けたのは15時。
 診察室に寝かされ、医師がワタクシのタマに触った瞬間に「あ~、腫瘍だね。」と診察時間は1秒程度。

 本来ならばその日に入院して翌日には手術をしたいところだけれど、手術室が開いていなかったため、翌日入院の翌々日手術…となりました。

 それにしても、あの『クリスマスにきんたま取ってみた』というルポは、本当に命の恩人であります。あれを見たからすぐに病院に受診したし、あのルポの通りに物事が進むため
「わぁ~漫画と同じだぁ。」という感じで、入院や手術までの間、動揺せずに冷静でいられた次第であります!!
 漫画が面白く書いてあったので、よくよく考えたら大変なことなんだけれど、あまり暗い気持ちにならずに過ごせた次第であります。
 まさにあのルポ漫画に命を救ってもらったといっても過言ではない。
 
 「たまたまみつけたタマのガン」の話をこういうテンションでしていたら
「中にはつらい思いをしている当事者もいるかもしれないのに、そのテンションで話すのはどうかな…と思う。」
…というような意見を言われたこともあるのですが、確かに、それは一理あるにしても、あまり深刻な感じで話すと「私、こんなに大変だったんですぅ!」っていうのが話の趣旨になってしまったり、実際にそういう場面に出くわした時に怖くなってしまうかな…とも思うので、このテンションのまま、色々な場面ではお伝えしようと思っております。
 またゲイから神のようにあがめられている大人気DIVAであるカイリー・ミノーグが乳がんであることをカミングアウトした結果、乳がん検査を受ける人が増えたそうで、それを『カイリーエフェクト』とのこと。カイリー・ミノーグほどの影響力はないが、一人でも二人でも、この文章を読んで、ふとした瞬間にキンタマチェックをしてもらえれば…と思い、ここに記している次第であります。
 さぁ、これを読んだ皆さんはご自身の(女性の場合は旦那さんの)タマタマをタマにはチェックしてみて下さいませ!
(あと女性は乳がんも怖いから、乳がんのセルフチェックもタマにはしてみて下さい。)

 

 

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