アーロンチェアのひじ掛けの修理
家で使ってるクラシックアーロンチェアのひじ掛けが壊れたので修理しました。
モデルAE113AWB AJG1BBFP 3D01 2001年2月6日製造で、20年以上使用しています。
この記事では、ひじ掛けの角度調整機能の修理と、ひじ掛けの固定ボルトの交換について書きます。
ひじ掛けの角度調整機能の修理
アーロンチェアは、ひじ掛けを内側に向けたり、外側に開く機能がありますが、外側、真ん中、内側で引っかかるようになっています。いわゆるクリック感ってやつですね。
使用による疲労で内部部品が損傷し、クリック感が無くなっていたので。これを修理しました。
カバー部分の取り外し
ひじ掛けのカバー部分は、裏側からプラスネジ2本で止まっているので外します。簡単に取れます。
ボルトを抜く
開けると、中に2本ボルトがあるので、抜きます。
アメリカ製品なので、インチです。1/2のソケットレンチで外しましょう。まあ、最悪13mmでも抜けますが…
プラスチックパーツの交換
回転軸側のボルトを抜くと、POM(白い樹脂、摩擦係数が低く摺動部で使う)ワッシャ、普通の座金がついています。普通の座金がボルトの頭側です。
稼働する側のボルトはPOMワッシャと歯付座金がついています。歯付座金がボルトの頭側です。
そして、ひじ掛け本体の下に写真の樹脂パーツと、別の樹脂パーツがあります。
写真の通り、割れているので新しいものに交換します。
純正パーツが供給されているわけではないので、AliExpressで中華互換部品を調達します。eBayとかでも売ってます。今回は、下記のものを買いました。
組み立て
ばね部品を除いて組み立てていきます。
この際に、交換した樹脂部品や、POMワッシャなどの摺動部にグリスを塗ります。今回は、樹脂を侵さないタミヤのセラグリスHGを使います。
組み立ての際には、取り付けの方向を間違えないようにしましょう。反対向きでも組み立てられるので、注意してください。
ばねを入れる
ここが最大の難所です。
まず、写真のような感じでばねを入れます。
そして、ばねの先端ををバイスグリップでつかんで時計回りにばねをねじります、
そして、その状態のままマイナスドライバーでばねを押し込んで、本体の爪に引っ掛けて固定します。
非常に難しいですが、何度かやれば入ると思います。
完成
ひじ掛けのカバー部分をプラスネジで止めて完成です。
ひじ掛け固定ボルトの交換
ボルトが折れたので交換します。
ついでに折れてない方のボルトも交換します。
背面のボルトを外す
ポスチャーフィットを取り外したのちにボルトを4本抜きます。
インチ規格なので3/16の六角レンチです。
固定ボルトを抜く
固定ボルトはトルクスです。サイズはT27です。
通常使用時に、ひじ掛けの高さを固定するために回すノブの部分を手で固定しながら、ボルトを抜きます。
折れたボルトを抜く
折れたボルトは、バイスグリップでつかんで回して抜いてください。これも、調整用のノブを固定して、ボルトを回すと抜けます。
また、椅子の方に部品が残っていますので、それも回収しておきます。
部品の順番
外側(ひじ掛け側)から、プラスチックナット、ひじ掛け本体、調整ノブ、ベアリング、ワッシャ、プラスチックの摺動部品、押さえつける部品、長方形のワッシャになっています。
プラスチックナットとノブはネジの向きがあるので、注意してください。
また、これも摺動部やベアリングにセラグリスHGを塗っておきます。
新しいボルト
ボルトの仕様は以下の通りです。インチなので日本では入手性があんまよくないですね。
規格 UNF(細目)
呼び径 1/4インチ
山数 28山
長さ 2と1/2インチ
強度 Grade5
その他 半ねじ
呼び径、山数、長さをまとめて記載する場合、1/4-28×2”1/2となります。
強度については、日本の規格における強度区分8.8がGrade5に相当するそうです。S45Cという高炭素鋼で良いと思われます。今回は、SCM435というクロモリ鋼(さらに高強度)のものしか見つからなかったので、それを購入しました。半ねじというのはネジが途中までしか切ってないというものです。
組み立て
反対の順番で組み立てをしていきます。先ほども述べたとおり、プラスチックナットとノブはネジの向きがあるので、組み立ての際には、ネジと組み合わせて確認してから入れるようにしたほうが安全だと思います
今後について
これから、へたった座面の交換、割れたポスチャーフィットの交換を予定しています。
いつもありがとうございます!