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【百年ニュース】1921(大正10)7月13日(水) ノーベル物理学者ガブリエル・リップマン没,享年75。ルクセンブルク生まれのユダヤ人。1891世界初のカラー写真技法発明。リップマン式天然色写真と呼ばれ,「光の干渉現象」を活用したカラー写真。現在のRGB三原色方式とは違い高価だったため普及しなかった。

ルクセンブルク出身のノーベル物理学者ガブリエル・リップマン(Jonas Ferdinand Gabriel Lippmann)が亡くなりました。享年75でした。フランスからカナダに向かう旅客蒸気船のなか、すなわち大西洋の洋上で没しました。

リップマンは1845年にルクセンブルクのボンネヴォワで、ユダヤ人の家庭に生まれました。3歳でパリに渡り、1868年にフランス高等師範学校に入学、1873年にはドイツのわたりハイデルベルク大学、続いてベルリン大学で物理学を学びました。1875年にパリに戻り、1878年にはソルボンヌの研究員、のち1883年にはソルボンヌの物理学教授となりました。

そして1891年、46歳の時、カラー写真の技法を発明し、世界ではじめてカラー写真(いわゆる天然色写真)の撮影に成功しました。これはリップマン式天然色写真と呼ばれ,「光の干渉現象」によって作られる様々な色を使いカラー写真を実現するものです。シャボン玉の膜の表面に光を当てると虹色の光沢が見えますが、見る角度によって光の反射が変わり、色が変わって見えるという原理を利用したものです。

現在のRGB三原色方式とは違い、たいへん高価なため結果的には普及しませんでしたが、この功績から1908年ノーベル物理学賞を授与されました。

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