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【百年ニュース】1921(大正10)4月20日(水) 評論家の犬養道子が新宿区四谷で誕生。祖父は犬養毅,父は犬養健。犬養道子は晩年の犬養毅と多くの時間を共有した。女子学習院,津田英学塾で学んだあと米国とフランスに留学。聖書学を学ぶ。1957NHKニュース解説員。代表作『聖書を旅する』。2017年没,享年96。

犬養道子2

犬養道子3

犬養道子1

犬養道子4

「あんなに可愛がって頂いたんだ、お別れをおし。お礼をお言い」

父の涙でかすれた声が耳のそばで、しかしひどく遠くから響いた。涙が突然、私ののどもとに押し上げ、耳はじいんと鳴りはじめた。震えつつ私は手を伸ばし、驚いたことに異常なこわばりを感じさせるお祖父ちゃまの頬を撫でさすった。撫でつつ呼んだ「お祖父ちゃま!」呼びつつむせんだ。むせびつつさすった。さするたびにその頬は冷えてゆくようであった。

道子はどうしても犬養毅の遺骸の傍を離れないと言い張って泣きわき、首相官邸へ集まる内閣の大臣らが見舞う横に寝かされていました。明け方4時頃、道子は魂というものが亡くなった人の温もりが消える直前に抜け出して「天に昇」るが、それは親しかった人には見えるものだと言われたことを思い出したため、周りの人たちの制止を聞かず、白布を取り除いて布団をめくって、遺体の頬から足まで触れてたと言います。

のち道子は女子学習院,津田英学塾で学んだあと米国とフランスに留学。聖書学を学びました。1957NHKニュース解説員。代表作『聖書を旅する』。2017年没,享年96。

犬養道子『ある歴史の娘』中公文庫,1995

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