メアリー・ルジェーリ(Mary Ruggieri)がサンフランシスコで誕生。結婚する前の名前はメアリー・キディー(Mary Kiddie)です。1943年カリフォルニア大学バークレー校で心理学をおさめたあと、修士課程に進学し、ミネソタ大学大学院で児童福祉研究していましたが、太平洋戦争の最中、1944年に志願して陸軍婦人部隊 (WAC、Women's Army Corps)に入隊しました。大戦中は約15万人ものアメリカ人女性が婦人陸軍部隊や婦人陸軍補助部隊に勤務したと言われています。これはアメリカ史上において、看護婦を除いて陸軍に務める最初の女性たちでした。

メアリーは、1946年10月に横浜に着任。離任した1948年4月までの1年半、横浜市中区万代町（ばんだいちょう）付近にあったカマボコ兵舎で生活し、横浜のほか、東京、鎌倉、京都、伊勢志摩、広島、長崎、仙台などで、のべ4000コマ以上の写真を撮影しました。メアリーは60年後にこれらの写真を含め自身の日本での体験をつづった『日本から愛をこめて、From Japan With Love from 1946 to 1948』という著書をポーツマス出版から2007年に出しました。個人的な手紙や日記なども紹介しながら,当時の横浜の様子を活き活きと描いています。