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【読んでみた】三戸政和さんの『資本家マインドセット』

普段の自分ならあまり手に取ることがなさそうなジャンルの本だが、News Picksアカデミアで頂いた本なのできっと面白いだろうと思って読んでみた。書評と言うより自分の考えや思ったことの雑記です。
※Twitterにも既に上げてしまってるのでいいかなと思い...
三戸さんのお手紙をここにも載せてしまおう。

まず、ここで三戸さんが文脈を読み違えれば搾取しているように見えると書いていた理由について。
本の解釈は、その人が何を読み取りたいかによって異なってくると思う。
今回の場合はお金を生み出す仕組みを作る、自分の時間ではなく人の時間を使うということが、単に楽をして稼ぎたいとか、お金儲けがしたいと思って読む人には搾取しているように見える可能性があるのだろう。

いきなりだけれど、どういうことが資本家マインドセットと言えるのだろう、と考えながら読み進めていて、わりと早い段階で自分なりの答えに気付いた。
落合陽一さん風に言うと「圧倒的無駄の排除」ということになると思う。
本の後半で

「ひたすら無駄な時間を排除して効率化を図ることは、資本家の生命線だ。」

という一文がでてきて、正しい解釈のうちの一つであるという答え合わせもできた。
これは資本家に限らず、ビジネスパーソン、日常生活でも活用できる思考だと思う。

課題が次から次に湧いてくる社会なのだから、できる限り無駄を排除して、課題をどんどん解決していって、それに見合ったお金を手にしてしかるべき。
そして、きっと常に社会課題と向き合っている人なら、単に私腹を肥やすのではなく、またどんどん次に繋げる遣い方をするはず。

ところで、単純な私は第一章で既に自分でも資本家になれるんじゃないかと思ってしまった。
(目的がないから今のところはならないけれど、、と言っておこう。)
三戸さんが度々いい感じにその気にさせてくれるからだ。笑

中小企業の個人M&Aはブルーオーシャン、
中には、「信頼できる人が引き継いでくれるなら安くても売りたい」
廃業すれば工場などをたたむのにお金がかかるから、「タダでもいい」というケースもある
らしい。

実際に本の中に書いてあったサイト上に確かにそのような会社もなくはなかった。
これは身近なところで言うと、個人の引っ越しで不要になった家具や家電をタダでいいから持っていってほしい人がいることに似ていると思った。
リサイクル費用がバカにならないし、メルカリとかヤフオクで売るにしても処理が面倒だったりする。
そしてその後に語られる、中小企業では大企業では当たり前のように行われていることができていないことが珍しくない、というエピソードにより、自分なんかでも業績改善ができるのではないかと思ってしまった。
いや、きっと自分が興味のあることに本気で取り組めば可能なんだろう。

気になったことはまだまだある。

世界では、革新的なプロジェクトを社内の人間だけで進めるのではなく、
個別のプロジェクトごとに集められたプロフェッショナル集団によって行うようになっている。
そこでは、大企業や資本家が資金とインフラだけを用意する。

確かにプロジェクト単位の仕事なら私もこれがいい。
同じ会社のスタッフでチームメイトだからといって、気が合わない人とも仲良しこよしを求められても困るし、意味がない。
恐らく知人の紹介などでメンバーを集めることになると思うので、スキルの点ではハズレが少ないと思われる。
また、一度雇ってしまうと簡単に切るわけにもいかないのであらゆる面でリスク回避にもなる。

お金よりも「自分の好きなこと」を動機にして行動できることは、これからの時代を生き抜く上で、とても大きな武器になる。

やはりこの考えがついて回る今の世の中…本気で遊べる人が強いと私も思うし、そういう人がうらやましい。
しかし、ここで励まされるのが以下の三戸さんの言葉。
もともと、サラリーマン的な既存のレールに乗って生きていくのは面白くないな、と思ってはいた。だからと言って、具体的に「これがやりたい」というものがあったわけでもない(正直なところ、それはいまでもそうだ)。

これはとても意外。それでも、資本家として大事なマインドセットを身につけて、責任を持って圧倒的な量の仕事をこなしてきたからこそ、今のCEOや作家としての活躍があることは間違いない。勘違いしないようにしたい。

そして、自分的ハイライトとしては、

丸投げ力、人に任せられるメンタリティ

ここが、今自分が抱えている問題の一つで、上司とあまり分かり合えていない部分だと思っているので特に惹きつけられた。
任せた後は過剰に期待せず、60点で良いとか。

自分の考えが間違っていないという自信にはなったが、上司を啓蒙していくのが難しい。
ある程度まで育成したら、チームを信頼して任せて、成功体験をつくる。失敗しても責めず、励ましてサポートする。魚を与えるのではなく魚釣りの方法を教えたい、もっと言うならその方法までスタッフ自ら導き出して欲しい。と思っている…。
色々と事情があるものの、この辺りが上手く伝わらずもどかしい。
今読んでいる麻野耕司さんのTHE TEAMがまたヒントになるだろうか。
講演にも行けることになったのでこちらも楽しみにしているところだ。

※モヤッとした感じで終わってしまうけど、自分の問題と関連付けているせいで、この本自体はスッキリしてます!

ところで、今回は電子書籍ではなく紙の本でいただいたということもあり、初めて紙の本にマーカーを引いたり直接書き込むということをやってみた。(なぜか教科書に線を引くことすら嫌っていた人。)
書くと記憶に定着しやすいし、電子書籍じゃなくてもパラパラめくっただけで気になったページがすぐに分かるし、ちょっと気に入った。


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