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仕事が速い人の特徴は(勉強に生かせる?)

以前、郵便配達のバイトをしていたとき、仕事が速くなるにはどうすれば良いか、泣きそうになるくらい考えて、いろいろ試していたことがあります。今日はその話です。

資格試験の勉強にこの経験が生きるかというと微妙なのですが、もしかしたら有用なところもあるかもしれないので、書き残しておきたいと思います。


郵便配達の仕事というのは、基本1人が1つの区域を担当します。僕の所属していた局では、千数百世帯を受け持つように区域が分けられていました。

自治体からの通知や請求書、一斉に届く広告などがあったり、事業所などでは毎日数十通届く配達先もあったため、曜日によってかなり変動はありましたが、おおよそ千通前後、毎日配ります。

葉書や封書を配達する順に並び替えて束ねる内務作業に1時間強、外での配達に2~3時間、これを午前・午後とします。残りの時間で配達原簿の整理、転送の処理などをして、たっぷり8時間働きます。

つまり、やることが多い。すると、自然、仕事が速い人と遅い人の差がびっくりするくらい出てきます。


多分、郵便配達で一番きついのは、局内の平均的な配達員の仕事量をこなせるようになるのに、どれだけ器用な人でも1年はかかるということだと思います。そして、郵便局は残業代がきちんと支払われるので、残業しないと1日の仕事がこなせない人にかかる圧力が半端ではないです。

僕は器用な方ではないので、本当に居場所が無くなるくらいの危機感でいました。ずーっと走って配ってました。正確には、全力疾走だと息が切れて休んでしまい、却って時間がかかるので、ずっと小走りで配ってました。

夜寝ようとして床に就くとき、疲れすぎてしばしば足が攣るので、身体を伸ばすのも気を遣う毎日でした。始めて3ヵ月で、体重が15kg減りました(始める前太っていたのでちょうど良い体重になっただけですが)。


見習い期間が終わると、上司からの「遅いぞ」というプレッシャーが強くなってきました。仕事自体は好きだったし、やりがいもあったので、対策を考えました。まずは観察。仕事が速い人の特徴は何か、どういうことをしているのか、とにかくありのままに知ろうと思いました。

でも、わからないのです。

実際配達順に郵便物を束にしているところを見ても、配達をしているところを見ても、それほど僕と「速さ」が変わる訳ではない。むしろ、逆に、ゆったりしているように見えます。それどころか、良いところを真似しようと思って観察してるのに、束ね方が雑だったり、作業の後の机がぐちゃぐちゃだったり、配り間違いが多かったり、ちょっと面倒なことがあったらすぐに後回しにしたりと、悪いところしか見当たらない。

後で理由が解ったのですが、観察し始めた時は訳が分かりませんでした。


何かいろいろあって、ハッと気付きました。仕事が速い人はゆっくりだけど、手が止まらないのです。ずーっと同じリズムで動いている。考えない。リズムを乱すようなことを徹底的に「排除」してる。散らかっていようが、間違えようが、とにかく考え込まない。

ただものぐさなだけかも知れませんが、ちょっとでも面倒なことがあると動きを止めないことを優先して、適当にその場をしのぐ。で、どんどん先に進めてゆく。たまに止まった!と思っても、それは、後々リズムを乱す要因を事前に回避して、やはり全体で作業が止まらないことが優先されている。


これは僕にとってはカルチャーショックでした。僕がこれまでとってきた適応戦略と真逆だったからです。興味があることに没頭すること、テストなどで良い点数が取れるだけの知識や理解力を得るために僕がしていたのは、逆に、意図的にスピードを遅く・・というか無くすことでした。

例えば、理解できるかできないかギリギリくらいの難易度の文章を、紙に書き写す。当然時間がかかる。でも、その分、微妙な言葉の選択の違いとか、ニュアンスとか、行間などにどんどん気付けるように頭と体を持っていける。1秒1秒をどんどん凝縮していって、一瞬の世界を濃密にしていく。でも、逆に、外部の時間やリズムには無頓着になって行く・・。

つまり、頭や体の使い方というか、モードが全然違うのです。そしておそらく、どちらが優れているということもないのだと思います。

今の僕は、意識的に、リズムで動くモードと無時間的に微妙な差異に過敏になって没入するモードを切り替えています。でも、僕としては後者の無時間のモードの方が心地よいです。

でも、外的な適応には、前者の方が適しているような気がします。

司法試験の論文試験などは、リズムで動くモードで答案を書けるように仕上げた方が良いのか、よく分かりませんが、いろいろ試してみたいと思っています。

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