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天使の話(第27話)悲観の天使ネガ

人って、現在の自分があるのは複雑で知的な考察の結果で、自らのことを合理的で理性的な存在であると思っているみたいだけど、面白いことに殆どの場合、単に二者択一を繰り返しているだけなんだ。そう、選択肢はたったの二つ。それは接触と回避。人は何か新しいものと遭遇すると約0.2秒で接触するか回避するかを心の中で決めちゃう。その後で、それを選んだ理由を考え始める。結論がまず先にあって、その結論を自分に納得させるために後付けで理由を考え始めるんだ。つまり、理由があって選ぶのではなく、まず結論があってそれに合う理由を考えるんだよ。だから、相手の方が正しいって分かっていても、いろいろな言い訳を繰り返しながら、やっぱり行動を変えられない人がいるんだ。そして、その二者択一のうち、回避を選ぼうとするのが、今日のお話の天使ネガティブ(悲観)なんだ。ニックネームはネガ。何となく印象が良くない天使ネガだけど、行動しなければリスクは少なくなるから、新しいことに対しては回避を選んだ方が失敗は当然少なくなる。人は元来保守的な生き物で、人類が生き残って来られたのはネガがいたからなのかも知れない。ネガは現状維持を望む天使なんだよ。


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